
マーケター・思考設計士。個人や中小規模ビジネス向けに、マーケティング戦略のアドバイスを主におこなっている。
僕は根本的な原理原則、物事の本質をきちんと理解すれば、
その都度必要な具体的な方法は思い浮かぶと思ってますし、
実際そのようにして多くのことをこなしてきました。
なので、具体的なノウハウ、マニュアルというものは、
人に伝えることを考えないなら重要でないと基本思ってます。
ですが、いくつか本当に役立つと考えている具体的なものもあり、
その中の1つがなぜなぜ分析と呼ばれているものです。
有名なので知っているかもしれませんが、
豊田喜一郎さん、大野耐一さんなど。
トヨタ創業から関わる方々が体系化したトヨタ生産方式、
その中の代表的な手法の1つがなぜなぜ分析です。
ある問題点やアイディアに対してなぜと5回繰り返すことで、
その本質をきちんと理解し改善、改良していくことで、
より高い生産性を発揮していくというもの。
実際、これを応用している企業やビジネスは多いでしょうが、
なぜなぜ分析はビジネスに限らず人生のあらゆる面で、
積極的に利用していったほうが良い圧倒的に優れた手法。
むしろ、これをしないでは何事もうまくいかないか、
いったとしても運だよりからは逃れらないと、
僕はそう考えているのです。
なぜなぜ分析とはそもそもどういうものなのか
なぜなぜ分析とは手法的には哲学に分類されます。
哲学するということはある前提の是非を問うことであり、
それを延々と繰り返していくということです。
例えば人は誰かや社会のために貢献する義務があり正しい。
これは社会の基本的な常識と考えられてますが、
ではなぜ、貢献するのが義務であり正しいのか?
貢献しないことがなぜ悪になるのか?
こういったそもそもの前提の是非を問うのが哲学であり、
何かしらの答えにまた問うということを繰り返します。
ですが、哲学的に問われる問題は数学のように、
明確で普遍的な答えというものがありません。
なので、正しいとされる答えはその時代や環境等に左右され、
その時々で変わっていくものなのです。
つまり、なぜを繰り返すと延々と考え続けることになり、
次に繋がる答えを出すことが難しくなります。
ですから、行動し何かしらの結果を求めるのであれば、
ある段階で思考を止め無条件でその答えを受け入れ、
それを行動に移していく必要があるのです。
なぜなぜ分析が圧倒的に優れた手法である理由
最初にお話したように僕は本質を重視するので、
本質をきちんと理解するための分析であること。
それだけでも良い手法だと思ってます。
ですが、それ以上に重要だと思っているのが、
なぜと問う回数を5回までと明確に定めたことです。
先にお話したように哲学は延々と質問(思考)を繰り返し、
明確な答えのない答えを探し続ける学問。
なので、なぜと問いすぎるのもそれはそれで問題があり、
かといって問わなすぎると表面的なことだけしか見えず、
何も解決しないということにもなりかねません。
5回という数字は本質を深掘りすることができると同時に、
表面的すぎることにもならない絶妙なバランスで、
問題解決やアイディアをみがきあげることができる。
問題の定義やアイディアがしっかりしていれば、
なぜなぜ分析で本質をつかむことができ、
行動も最大限効果的に変えることができるでしょう。
そこが圧倒的に優れた手法なのです。
哲学と行動のバランスを整えるのが大事
何事も哲学と行動のバランスが大事。
まったく哲学しないと自分自身がふわふわして、
常に何かに流されるような行動しかとれなくなる。
哲学しすぎると頭の中で思考が繰り広げられるだけで、
行動が伴わずなんの結果も得られなくなります。
大事なのは哲学と行動のバランスを常に保つことで、
そのためになぜなぜ分析はかなり有効なのです。
ビジネスに限らず人生のあらゆる場面で使えば、
結果につながる根本的な行動を取れるようになる。
加えて、本質を理解しているので表面的だけでなく、
本当の意味で自分にとって意義のある行動がとれます。
- 結果は出たけどなぜか満足感が得られない
- 正しいことをしてるはずなのにもやもやする
- やりたいと思っているのになぜか行動できない
これらは表面的な見せかけの物事と自分の本心が、
大きくかけ離れているためにおこること。
実はそんなに望んでないことを達成するために頑張ったり、
幼い頃に他人から刷り込まれた常識などに支配されたり、
自分にとって本当に意味があるものがわからなかったり。
そういったことを解消するきっかけという意味でも、
なぜなぜ分析は大きな効果を発揮するでしょう。
もし、あなたに解決したい問題や達成したい何かがあるなら、
ぜひ1度なぜなぜ分析をためしてみて下さい。
きっと価値ある考えや行動のヒントを得られると思いますよ。
では、今回はここまでです。