
マーケター・思考設計士。個人や中小規模ビジネス向けに、マーケティング戦略のアドバイスを主におこなっている。
ビジネスに限らずどんな分野であれ成功したいなら、
コントロールできるものとできないもの。
両者をきちんと把握しておくことが大事。
なかなか成果が出ないという場合は把握できずに、
結果を運に任せている場合が非常に多いからです。
運任せではなくて能動的な思考や行動によって、
成功率を高めていきたい。
そんな思いがあるなら把握することを心がけてみて下さい。
コントロールできるものとできないものの見極め方
じゃあ、コントロールできるものとできないものは、
どうやって見極めればいいのか?
まず知ってほしいのが自分にコントロールできるものは、
自分が100%責任を持つことができるものだけということ。
つまりこの世界で100%コントロールできる可能性があるのは、
自分自身だけということです。
他人や今いる環境や世界の仕組みといった物事は、
自分では100%責任を持てないがゆえに、
必ずコントロールできない部分が生まれます。
例えば、上司が部下に対する態度に責任を持ち、
きちんとやるべきことをやっていく。
そうすれば部下のパフォーマンス、
ひいてはそれによって生まれる行動。
それらをある程度はコントロールすることができるでしょう。
だけど、結果を出すために部下のおこす行動には、
仕事内のことだけじゃなく私生活等も含めた、
あらゆる要素が関わってくるもの。
ですからある個人の責任のすべてを他の誰かが持つのは、
その気があっても現実には不可能ということです。
ですからどうしても責任を持てない範囲が存在し、
その存在がコントロールできないものとなる、
つまりは不確実性を生む要素になります。
加えて自分自身の責任をすべて持つということも、
なかなか難しいものがある。
責任は意識によって持つものですが人には無意識があり、
意識では把握しづらい思考や決断が常におこなわれ、
それが行動にも反映されます。
例えば怒りや嫉妬などによる衝動的な行動は、
無意識の思考と決断の結果によるもの。
こういった行動は、おこしたのはたしかに自分なんだけど、
意識の外の要素が大きく自覚しづらい。
ゆえに責任を放棄してしまうということがおこります。
例えば失敗を受け入れられない人って多いじゃないですか。
表向きには受け入れたようにみえることもありますが、
実際には言い訳ばかり探して他人や環境などに、
責任を転嫁してしまいやすい。
特に失敗で何かを失うことが多い人ほどそういう傾向があります。
ですが、失敗が例え自分だけの責任ではなかったとしても、
関わっていたのなら影響を与えているのは確か。
ですから、責任を認めず行動を振り返ることをしなければ、
また同じような失敗を繰り返すことになりかねない。
ようは自分自身の責任すらをも放棄してしまうと、
自分の関わる結果を完全にコントロールできなくなるのです。
自分に責任がないということは自分以外の責任ということ、
つまり結果の全てが自分以外が原因で生まれたということ。
自分が関わる余地のない状態ということだからです。
逆に言えば自分自身だけにでもきちんと責任を持てば、
周囲にどのような意図で影響を与えるかは決められる。
なので、自分自身は100%コントロールできる可能性があり、
それによって周囲のものもある程度ではありますが、
コントロールできる余地が生まれる。
つまりは成功確率を上げていけるのです。
コントロールできないものとどのように接していくか
世の中の大半のものは自分のコントロールできないもの、
他者や社会、環境などといったもので構成され、
どんなものにでもそれは関わってくる。
ビジネスでの成功にしても顧客という相手が関わるために、
成果を完全にコントロールすることはどうしてもできない。
では、望んだ成功のためにコントロールできないものと、
どのように接していけばよいのか?
まずすべきなのは自分自身を100%コントロールできるよう、
常に訓練し続けることです。
繰り返しになりますが自分自身をコントロールできなければ、
他の全てもコントロールする余地は生まれない。
なので自分でコントロールできる行動や価値観、
考え方といったものをまずは整える。
そのうえで大事になってくるのがどれぐらい多く、
加えて質よく周囲と関わることができるかです。
例えばビジネスなら成果は自分自身の行動と、
それによって生まれる商品や戦略が基盤となる。
そのうえで、どれだけ多くの人にアプローチして、
商品を買ってもらうことができるのか?
加えてどれだけその商品を必要としている人に、
ピンポイントでアプローチすることができるのか?
この2つが成果の大きさに直結します。
これは自分以外が関わるどんな分野でも同じこと。
自分がコントロールできるものをまずは整えて、
そのうえでどれだけ多く質よく、
行動していくことができるかが大事。
逆に成功できないなら自分をコントロールできてない、
できていても行動の数も質も足りてない。
そのどちらかということです。
自分を整え周囲との関わり方を決めていく。
この順序はぜひ覚えておいてもらえると、
行動の指針になると思いますよ。
コントロールしたいものと重要なもののすり合わせ
最後にもっとも難しいこと。
コントロールしたいものと重要なもの、
両者のすり合わせについて少し話します。
ビジネスであれば自分がコントロールしたいもの、
成果であったり自由な時間であったりと、
いろいろあると思います。
ですが、ビジネスでの成功は顧客という相手に、
価値を提供することでしか達成できない。
そして相手にとっての価値と自分がコントロールしたいもの、
両者が必ずしも噛み合っているとは限りません。
自分の時間をコントロールしたくてビジネスで成功したくても、
価値を与えるのに時間が必要ならかけなくてはいけないのです。
自分できちんとコントロールしたいことがあっても、
必ずしも相手にとって重要なことには関係がない。
それは言葉にすると当たり前のことですが、
多くの人が失念してしまうことです。
だから、自分がコントロールしたいものと重要なことを、
どうにかしてすり合わせる必要がある。
そのためにも必ずしてほしいことが、
自分がコントロールしたいものと、
相手にとって重要なこと。
この2つを分けて考えることです。
そのうえで両者をすり合わせていき、
重なり合う部分を見つけていく。
その部分を大きくするために自分の行動や価値観、
考え方などを洗練させていく。
このことは常に意識しておいてもらえると、
成功できる可能性を高めていけますよ。
では、今回はここまでです。