
マーケター・思考設計士。個人や中小規模ビジネス向けに、マーケティング戦略のアドバイスを主におこなっている。
感謝することってどんな分野でも大事ですけど、
ビジネスの成功においては特に大きな力を発揮します。
逆に感謝できないと一時は成果を出せたとしても、
成功し続けることは絶対にできない。
なので、テクニックとかノウハウとか学ぶくらいなら、
先に感謝について学んだ方がいい。
少なくともビジネスでの成功においては、
そう断言してもいいぐらい重要なものです。
感謝がビジネスの成功に大事な理由
というのも、感謝っていうのは与えられている、
誰か、社会、世界から受け取っているという意識。
生かされているという自覚と言い換えてもいいでしょう。
自覚しているいないに関わらず揺るがない事実として、
人は常に自分以外の誰かによって生かされています。
人は自分1人が生きていくのに必要なものを、
自分だけで生産することはできないからです。
生まれた段階では誰かの庇護がなければ生きられないし、
成長しても自分だけで必要なものをすべて生産して、
誰にも何にも頼らず生きていってる人なんていない。
仮にものは生産できていたとしても例えば知識、
ものを生産するための知恵や技術などの知的資産も、
大抵は先人たちが残してくれたものを学んでいます。
ほんとうの意味で何者から何も与えられずに、
生まれてからこの世で一人だけの力で、
ずっと生きてきた人なんていないのです。
今この瞬間を生きているという事実それ自体が、
何かを与えられて生かされているという証明になる。
感謝できる人はこんな理屈を並べ立てられなくとも、
意識しているかいないかはともかくそれを自覚し、
与えられたことにありがたいという念を持っているのです。
育まれた与えたいという気持ちがビジネスを成功に導く
心から与えられていることに感謝しているなら、
自分もまた誰かに与えたいという気持ちが育まれる。
自分を生かしてくれた誰かに、社会に、世界に対して、
自分がしてもらったことと同じように何かを与え、
誰かが良く生きるための一助になりたいと思える。
まあ、なんか難しい言い方になってしまいましたが、
単純に与えれたことに心からありがとうと思えるなら、
自分もまた何かを返し、与えたいと思えるってことです。
で、この与えたいという気持ちがビジネスにおいて、
ある意味何よりも重要な要素になります。
ビジネスで成功するには価値を与える必要があり、
何をすべきか考えなければならないからです。
そのためには自分ではなく誰かの立場で物事を見て、
何が価値になるのかについて考えないといけない。
与えられていることに感謝できる人は、
それが自然にできるようになる。
何をすれば喜んでもらえるかについて、
当たり前のように心くばれるようになるのです。
そんな人が立ち上げるビジネス、開発した商品やサービスが、
誰かにとってなんの価値も持たないことはない。
たとえ一時は伸び悩むことがあるとしても、
いずれ必ず認められるでしょう。
与えることが与えられることに、
少なくともビジネスでは繋がるのです。
感謝に必要なもの
じゃあ感謝するにはどうすればいいのか?
これはイギリスの文学者であるサミュエル・ジョンソン博士が、
そのものズバリの言葉を残しているので引用します。
感謝の心はたゆまぬ教養から得られる果実である。
それを粗野な人々の中に発見することはできない。
これが全てだと思うんですよ。
教養、つまりは知っているってことが、
感謝するためには必要だということ。
例えば僕なんかもそうだったんですけど子供の頃って、
親の言葉とか行動がいちいちうっとうしいと感じる。
喧嘩にもなるしひどい言葉をぶつけてしまうこともある、
親の事情とか何もわからず考えもせずただ反発してしまう。
だけど、いざ自分が成長して大人になると、
ただ生きていくためにどれだけやることがあるか。
それを実感させられる。
僕は子供はいないのでわからないですが、
実際に子の親になった人ならその中で、
子供を育てるために時間や労力を使う。
それがどれほど大変であるかを身をもって知る。
そうすると親に対して自然と感謝の念が湧き上がってくる、
自分がどれだけ与えられてこれまで生きてきたかが実感できる。
他にも多くのものを多くの人や社会、世界から、
常にたゆまなく与えられているのが人というものです。
その裏側を知ることで感謝の気持ちが生まれてくる、
だから教養から得られる果実と言っているわけですね。
そして、教養を身に着けようとしない粗野な心からは、
感謝の果実を見いだすことはできないとも言っている。
ようは感謝できる人は知ることをいとわない人、
知ったことを受け止められる人ってことです。
なので、人との、社会との、世界との関係を感じられる、
例えば社会学とか文化人類学とかに興味を向けてみる。
自分がどんな繋がりの中で生きているのかを、
実感できるような学問を学ぶことに、
少し時間をさいてみてください。
自分が当たり前のように思っているものの裏に、
どんなものがあるかを意識するのが大事です。
では、今回はここまでです。