
マーケター・思考設計士。個人や中小規模ビジネス向けに、マーケティング戦略のアドバイスを主におこなっている。
ビジネスににせよ何にせよ初心者ほど、
自分だけで何とかしようと思ってしまう。
特に現代ではネットの発達で情報を手軽に得られる、
しかもその質も時間が経つにつれて上がってきている。
ですから、どれぐらいを目標とするかで変わりますが、
例えばビジネスで独立したいぐらいの目標の場合。
やろうと思えば無料で得られる情報だけでも、
決して不可能ではないです。
ですが、それを踏まえたうえでなお言いたいのは、
初心者であれば早めに誰かから教わる方が良いということ。
その理由をかの哲学者ソクラテスさんが発端となって生まれた、
探究のパラドックスというものから見て取れるのです。
探究のパラドックスとは何か
では、探究のパラドックスとは何か?
探究する対象を知らなければ、そもそも探究できない。
しかしその対象を知っていれば探究する必要ない。
人は知っているものは探究する必要はないけど、
知らないものはそもそも探究しようとすら思えないから、
探究しようがないじゃないかということです。
ソクラテスさんはこのパラドックスに対する答えとして、
人はすでに自分の内に答えを導き出すだけのものがあり、
後は何を知らないかを知ることでそれを導けるとした。
ようは、人はどんなものに対する答えも自分で探究できるけど、
そのためには自分が何を知らないかを知っていることが大事。
ですが、パラドックスにあるように知らないのだから、
探究したいとそもそも思えないという問題がある。
なので、多くの人と問答することによって知らないことを知り、
探究する入り口に立つということが、
ソクラテスさんの基本的な考え方だったわけです。
初心者が初心者である理由は知らないことを知らないから
この考え方から初心者が初心者である理由というのは、
知らないことを知らないことにあることがわかる。
例えばビジネス初心者がビジネスで成功したいと思っている、
ようは現時点ではビジネスで成功できてないという現実がある。
では、なぜビジネスで成功できていないのか?
ビジネスで成功するために自分が知らないことは何か?
それを知らないから何を探せばいいのかわからないという状況が、
ビジネス初心者である理由なわけですね。
ですから、自分がビジネスで成果を出すうえで知らないことを、
自分できちんと分析できて必要になるものを得るために、
的確な探究をおこなっていくことができる。
そんな人は経験や知識がぜんぜんない状態だったとしても、
すでに初心者ではないと個人的には思っています。
知らないことを知るためには誰かに教わるのが近道
どんな分野でもいいですがもし自分が、
先に話したように的確な分析と探究ができる。
そう自信を持って言えるのであれば誰かに教わる必要はなく、
いずれ成果を出していくことができるでしょう。
だけど、そうではないのにそれでも誰にも教わらず、
1人で何とかしようと考えてしまうのなら、
成果は完全な運だよりになります。
何の指針もなく情報収集とか勉強とか行動していたら、
偶然自分に必要なものが目の前に転がってきて、
それが状況とうまく噛み合って望んだ成果を得る。
そんなほぼありえない状況になるのを待つしかなく、
しかもそんな状況がすぐに訪れれば良いですが、
実際にはいつになるかもわからない。
そんな運だよりを回避したいのであれば、
一番の近道が人に教わること。
先に話したように人は自分以外との関わりの中で、
自分が知らないものを知っていくことができて、
探究の道のスタートに立つことができる。
で、世の中の大半の分野にはそれを経験した人がいるものです。
ビジネスであればビジネスについて知らないことを知り、
探究を通じてどうすれば成果を出せるのかを知り、
実際に成果を出してきた人がいる。
そういう人から教わることで知らないことを知る段階から、
探究の段階までをスムーズに進むことができるのです。
知らないことを知る必要があると受け止めることが大事
ソクラテスさんが残した有名な考え方の1つに無知の知があります。
自分(ソクラテスさん)は知らないことがあると知っているだけ、
知らないことを知っていると思っている人より賢いというもの。
ソクラテスさんは自分が何でも知っている人間だと、
過信していたわけではない。
むしろ、知らないことが多々あると認めていたからこそ、
多くの人と問答することに人生の大半を注いできた。
問答し自分が知らないことを知る機会を作ったから、
多くのことを探究し様々な考え方を、
後世に残し続けることができたのだと思うのです。
この、知らないことがあるという事実を、
素直に認め人を通じてそれを知るという姿勢は、
何をするにしても持っておきたい大事なもの。
それが、成果を出すための最短ルートなのです。
なので、ぜひ人を通じて知らないことを知るという考え方は、
日常に取り入れてみてください。
では、今回はここまでです。