
マーケター・思考設計士。個人や中小規模ビジネス向けに、マーケティング戦略のアドバイスを主におこなっている。
大抵の人は何事にもどうすれば上がるかを考えることが多いです。
ビジネスならどうすればもっと成果を得られるのか、
気分ならどうすればもっと良い気分になれるのか、
やる気ならどうすればもっとやる気が出るのか。
とにかく上へ上へ行くことを考える場合が多い。
ですが、それよりももっと大事なことがあって、
それが下限値を上げるという考え方です。
大抵の物事には波があり個人差がある
物事には基本的に波があります。
同じ状態が延々と続くみたいなことってそうなくて、
上がったり下がったりを繰り返しながら進んでいくもの。
気分とかでもずっと同じ気分であることはなく、
良い時や悪い時、特に何も感じない時とかあって、
大抵の人は波のように変化するのが普通です。
他のものも大抵は波のように変化するもので、
この変化の頂点を上限値。
底辺を下限値と僕は呼んでいます。
で、この上限値と下限値には個人差があるので、
波の変化にも当然個人差があります。
一気に気分が高まったり下がったりする人もいれば、
あまり大きな変化はなく穏やかな状態を保つ人もいるのです。
上限値と下限値の幅を小さくすることの重要性
上限値や下限値の個人差っていうのは、
遺伝的なものが原因の一部であることもあって、
意識してもそう簡単には変えられないこともある。
例えば生まれた時から気分を高く保ちやすい人もいれば、
逆にあまり上げるのが得意でない人もいます。
ですから、後天的に変えられるものならともかく、
そうでなく特に不都合もないのであれば、
無理して変えようとする必要もない。
ただ、どんな人でも意識しておいたほうがいいのは、
上限値と下限値の幅を小さくすること。
先に話したように大抵の物事には波があるので、
上がったり下がったりしないということは難しい。
問題なのは頂点から下がってきた時にどこまで下がるか、
ようは下限値と上限値にどれだけ開きがあるかで、
開きが大きいほど全体が不安定になりやすいのです。
下限値まで落ちた時にまた上限値まで上げるのに、
大きなエネルギーを必要とするからです。
例えばビジネスで得られる年収の上限値が、
1000万円ぐらいの人がいるとしましょう。
調子が良く全てが噛み合っている時は、
月に100万円前後稼ぐことができる。
だけど、調子が悪い時は下限値が年収10万円まで下がる、
ほぼ稼げないという状況になってしまう。
そんなビジネスしか構築できないのであれば、
当然生活も不安定になってしまいますよね。
加えて上限値と下限値の幅が大きいですから、
下限値まで下がった状態から上限値まで戻すのも、
相当労力が必要になってくるでしょう。
だけど、上限値が年収600万ぐらいで、
下限値が400万ぐらいならどうか。
生活も安定しますし長期的にみたら、
得られる成果も大きくなっていく。
下限値と上限値の幅もそこまで大きくないので、
下がっても戻すのはそこまで難しくない。
こんな感じで下限値と上限値の幅が小さい方が、
長期的にみれば何事においても得られるものは大きい。
両者の幅を小さくしていくことを意識するのが、
長い目で見れば大事になってくるのです。
で、両者の幅を小さくするために必要なのが、
下限値を上げるという考え方。
下限値を上げないまま上限値だけを上げても、
先にお話したように幅が大きくなっていて、
戻すのに大きな労力が必要。
これは底に穴の空いた器を大きくし続けてるようなもので、
器を水で満たし続けるには抜けるより多くの水を、
常に流し続けなくちゃいけません。
下限値を上げるっていうのはこの底の穴を小さくして、
抜けていく水の量を小さくすること。
抜ける水の量をまずは小さくしておけば、
満たすために必要な水も少なくてすむ。
それから上限値という器を大きくしていけば、
抜ける量が少なく入れられる量が大きい。
そんなよい状態を保つことができるのです。
下限値を下げている要因をまずは把握してみる
では、下限値を上げていくにはどうすればいいのか?
まずは、自分の状態を下げている原因は何かを、
きちんと把握するようつとめることです。
例えば気分であればどのようなできごとが原因で、
気分が下がってきてしまうのか。
下がった時にどんなことをしているのか、
していることが更に気分を下げていないか。
そういったことをまずはきちんと把握する。
そのうえで、下がる原因にどのように対処するかを考える。
原因から離れることができるならそれが手っ取り早い。
できないのなら考え方などの転換をおこなって、
下がる原因を原因じゃないものに変える。
また、下がった時にしてしまう行動が、
更に下がる要因にならないよう気をつけたりなど。
他にもいくらでも意識すべきことなどありますが、
何が効果的は個人の状況によりますから、
最終的には自分で適切なものを見つけ出すしかない。
ただ、その入口となるのは下限値を下げる原因を、
きちんと把握することしかないので、
まずは時間をかけて把握するようにしてみてください。
原因を知るだけでも下がらなくなる場合があるので、
ぜひ実践してみてもらえればと思います。
そうして、下限値と上限値の幅を小さくしていけば、
どんな分野であれ得られるものも大きくなっていきますよ。
では、今回はここまでです。