「無駄なことをしたくない」が引き起こす3大悪影響
【記事執筆者】水川健人
マーケター・思考設計士。個人や中小規模ビジネス向けに、マーケティング戦略のアドバイスを主におこなっている。
【価値あるものが正しく認められるビジネス業界】を目指して日々活動中。

 

昔から少なからずある好きなことで生活したいとか、
近ごろ時間短縮するタイパという言葉が生まれたりなど、
いわゆる役立つことや必要なことだけしたいという考え方。

 

ようは、無駄を省いて効率化しようという傾向が、
強まってる人が増えてきたように思います。

 

急速に変化しながら日々様々なものが生まれ、
加えて莫大な情報にさらされている現代。

 

人の意識ではその全てを受け入れる事はできませんから、
そういった考えが生まれるのも必然ではあるのでしょう。

 

ただ、役に立たないことや必要なこと以外はしたくない、
無駄なことをしたくないという考え方は、
様々な悪影響を及ぼすことがある。

 

その中でも僕が3大悪影響と呼ぶものがあって、
この記事ではそれをテーマにお話していこうと思います。

 

無駄を省くという考えによる3大悪影響

 

では、先に3大悪影響は何かをお話しましょう。

 

  1. 無駄に対する判断の勘違い
  2. 自身の成長や変化の鈍化
  3. 関連付ける能力の退化

 

1つずつ詳しく解説していきます。

 

無駄に対する判断の勘違い

 

人が新しい何かを学んだり取り入れたりするのは、
それを知らないし理解できてない時ですよね。

 

そういったものを効率よく学んでいくために、
無駄を省きたいというのは確かに一理あります。

 

ですが、あるものを無駄と判断する時に、
どのような基準で判断しているのでしょう?

 

それが自分で深く理解できているものであるなら、
何が無駄なことで成果を出すために効率よくやるには、
どのようなことが必要かがわかるでしょう。

 

ですが、自分が知らないことに対してそれが無駄だと、
役に立たないしこれから必要になることもないと、
何を根拠にして判断しているのか?

 

大抵の場合、そこに合理的な根拠はありません。

 

何となく避けたいとか信頼できそうな人が言ってたとか、
そういった感情的な根拠であることが大半。

 

合理的に判断したように思えても知らないことを、
自身の現在持っている基準で正確には判断できませんから、
それが本当に的を射たものであることはほぼない。

 

つまり、無駄だと判断できないものを自分の基準で、
何となく合理的な基準で選んだ気になってしまう。

 

そうなれば必要なことをきちんと取り入れられない、
だから成果にもつながらないということもおこる。

 

当然、時間や労力を無駄にする可能性も高まります。

 

つまり無駄を省いて効率よくやるつもりが、
逆に効率を下げてしまうことになる。

 

無駄を省きたいという考え方には、
そんな危険が潜んでいるわけです。

 

自身の成長や変化の鈍化

 

人はどんな時に変化や成長をするのか?

 

自分の基準から外に出たときです。

 

自分の知らないことや持ってない考え方や価値観に触れ、
何らかの形で自身に取り入れていくことで、
変化し成長していくことができる。

 

ですから、変化や成長っていうのは基本的に、
未知への好奇心や興味に身を任せることでおきます。

 

だけど、無駄を省くっていうのはその真逆なんですよ。

 

先に話しましたが未知への無駄を判断する根拠は、
自身の感情的な反発であることが大半。

 

つまり、自分の今持っている基準による判断なので、
そこから得られるもので大きく変化や成長することはない。

 

少しでも世界が広がれば良い方で場合によっては、
何も変化成長しないということもありえます。

 

繰り返しになりますが変化成長というのは、
自分の基準の外に足を踏み入れることでしかできない。

 

ですがその自分の基準の外を無駄と判断してしまうのが、
無駄を省くという考え方なのです。

 

関連付ける能力の退化

 

少なくとも人が作ったものや思想や考え方は、
人の思考によって作られたものです。

 

思考とは脳によっておこなわれる活動であり、
個人差はあれど脳は誰のものも同じような機能を持ちます。

 

ですから、人が生み出した何かには必ず共通するものがあり、
それを別の何かと関連付けることができる力は、
新しい何かを生み出すうえで必須と言えるでしょう。

 

例えばビジネスではある分野で当たり前のことを、
非常識と思われている別の分野に持ってくるだけで、
大きな成果を上げることができることがあります。

 

この実例として僕がよくお話するのがZOZOTOWNです。

 

ZOZOTOWNの創業者である前澤友作さんは、
当時ネット通販が普及し始めていた時代に、
服をネットで販売するビジネスを始めました。

 

ネットでものを買うのが当たり前になりつつあったとはいえ、
服のような自分にあったものを探す必要があるものを、
ネットという実際に商品を手に取れない空間で売る。

 

そんなもの成功するわけがないとの意見も多くありましたが、
実際には大成功し今ではネットで服を買うのは普通になった。

 

服の売買とネットという空間を見事に関連付けて、
世に広めることに成功したのです。

 

このように人が当たり前と思ってる基準の外から、
別の何かを関連付け取り入れることができれば、
新しい何かを生み出すことができる。

 

それが一気に大きな成果につながることもあります。

 

ですが、先にお話したように無駄を省くという考えは、
自分の基準による無根拠の判断であることが大半。

 

ですから自分の外の基準に足を踏み入れることができない、
外にあるものを取り入れていくこともできません。

 

その結果、関連付ける能力が退化していくのです。

 

無駄を省くが大きな無駄を生む

 

ここまで無駄を省く考え方の3大悪影響をお話しましたが、
ようは無駄を省くという考え方が実際には、
大きな無駄を生む可能性が高いということです。

 

自分の基準による無根拠の判断が大半になり、
結果時間や労力を無駄に費やしてしまう。

 

なかなか変化や成長することができなくて、
その場で足踏みしてしまう時間が長くなる。

 

自分の基準の外と内を関連付けることで生まれる、
大きなレバレッジを活用することができない。

 

そういった悪影響はどんな分野でどんな成果を求めるにしても、
大きな足かせとなってしまうのです。

 

無駄を無駄なものにしない考え方を身につける

 

なので、無駄を省くという考え方ではなく、
無駄を無駄なものにしないという考え方を、
身につけてみてほしいんですよ。

 

先に話しましたが人の生み出したものは、
人の脳による思考が少なからず関わってるので、
そこには必ず共通し関連付けられるものがあります。

 

それを自分にうまく取り入れることができれば変化成長できたり、
一気に大きな成果をあげることができるようにもなるのです。

 

つまりは、自分の基準の外にあるものを、
無駄じゃないものにできるようになるほど、
本当の意味で無駄を省くということになる。

 

効率よく物事を進めていくことができますので、
ぜひ意識してみてほしいなと思います。

 

 

では、今回はここまでです。

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