継続力とは忍耐力ではなく管理力
【記事執筆者】水川健人
マーケター・思考設計士。個人や中小規模ビジネス向けに、マーケティング戦略のアドバイスを主におこなっている。
【価値あるものが正しく認められるビジネス業界】を目指して日々活動中。

 

どんな分野でもそうですが継続力は重要なもの。

 

きちんとしたやり方で継続していけば、
大抵何かしらの成果は出るものです。

 

だけど、必要なことを必要なだけ継続することができずに、
成果が出ないまま諦めてしまうということが多くあります。

 

そして、自分でも周りからも忍耐力がないんだと思い思われ、
さらに継続できなくなるという悪循環にはまってしまう。

 

そんな状況に悩んだこともあるかもしれません。

 

であるなら、これからお話していくことは役に立つと思います。

 

というのも、そもそも継続力っていうのは忍耐力じゃない、
何かに耐えることとはあまり関係がないのです。

 

だから、忍耐力がないと悩んだり鍛えようとしたりしても、
継続力が上がることはありません。

 

継続とは忍耐ではなく管理によっておこなうものだからです。

 

継続のメカニズム

 

忍耐ではなく管理についてお話するためにはまず、
継続のメカニズムについて知っておく必要があります。

 

そもそも継続とはどうやっておこなわれるのかということですが、
結論を先にお話すると無意識の意向によっておこなわれます

 

無意識がそれを継続したいかどうかについて、
人が意識できないところで何らかの判断を下す。

 

もし、その判断が継続したいというものであるならば、
何の問題もなくいくらでも継続しておこなうことができる。

 

例えば好きなものや興味のあるものに対しては、
時間を忘れてやり続けるみたいな経験ありませんか?

 

それをやってる時に継続しなくちゃとか、
耐えてやらないとなんて悩むことはない。

 

時間や体力が許す限りいくらでもやり続けられる、
そんな状態になったこと一度はあると思うんですよ。

 

こういう状態は無意識がそれをやることに肯定的な状態なので、
何の障害もなくひたすら継続できるのです。

 

逆に無意識が継続したくないという判断を下すとどうなるか?

 

人は無意識の方が強く早く思考をするようにできてるので、
基本的には継続しない理由などを探し出すなどして、
全力で継続することを邪魔してきます。

 

例えば痩せるために食事制限をしたいのに、
ついつい食べ物に手が伸びるという状況は多い。

 

これは、意識では痩せたいという欲求があっても、
無意識は生きるために食べ物を欲する。

 

加えて人の脳はずっと昔まだ食べ物が貴重だった時代の、
食べれる時にできるだけ食べるという特徴を引き継いでるので、
食べるということに対する無意識の欲求は強いのです。

 

この無意識の欲求が食事制限という意識を邪魔するのですね。

 

だけど、それでも意識では必要だと考えている、
やるべきことだと固い決意があり行動したいと思っている。

 

であるならば、意識が無意識の継続したくないという思いを、
自制して行動することができるようになります。

 

つまり、継続には肯定的な無意識によって、
自然におこなうことができるもの。

 

否定的な無意識を自制心で制御することで、
意識的におこなっていくもの。

 

この2つがあるということです。

 

継続できない人の本当の原因

 

肯定的な無意識による継続と、
意識して自制することによる継続。

 

前者であれば先に話したように継続に悩むことはない、
自然にいくらでもおこなうことができるでしょう。

 

ですから、継続できないと悩んでいる人は後者、
無意識では否定的だけどそれを理性でもって自制する、
意識的な継続ができないことが原因なのです。

 

ではなぜ、意識的な継続ができないのか?

 

それができないことが忍耐力がないということではないのか、
そう思うかもしれませんかそうではないのです。

 

先に少し話しましたがそもそも無意識は意識より、
早く強い思考をします。

 

さらに意識は無意識よりエネルギー消費が早く、
働かなくなるのが早いという特徴がある。

 

それに加えて人は自制だけに意識を使ってるわけじゃない。

 

例えば朝ごはんは何を食べようかみたいな、
比較的重要でないことでもエネルギーを使うのです。

 

つまり、意識でもっておこなう自制(忍耐)は、
基本的に長持ちしないということ。

 

無駄に意識を使ってしまえばエネルギー消費も激しくなって、
自制できる時間も当然ですがどんどん減っていきます。

 

このことを知ればなぜ人は継続できないのか、
忍耐力が継続に関係のないのかの理由がわかる。

 

継続できない根本的な理由は忍耐力がないからではなく、
忍耐力を効果的に利用できてないからです

 

忍耐力(自制心)というのは誰もが持っているもので、
心から意識的に達成したい目標や目的があれば、
無意識を自制して人は継続することができます。

 

だけど、意識はエネルギー消費が激しくずっと働けない、
無駄に使えば働きも悪くなっていって自制も効かなくなる。

 

ようは、継続できない人は意識の使い方がずさんで、
それ故に自制心を効果的に働かせることができず、
必要な時に必要な忍耐を発揮できないのです。

 

忍耐力がないわけではなく忍耐力の源である意識を、
きちんと管理できてないのが最大の理由なわけですね。

 

継続力は意識をきちんと管理できるかどうかに左右される

 

現代は意識を使う場面が非常に多くなってます。

 

例えばスマホなんかはその最たるもので、
インストールしたアプリなどから、
ひっきりなしに通知が届いたりする。

 

それらに頻繁に意識を向けていれば当然ですが、
意識のエネルギーが消費されるスピードも早まる。

 

他にもLINEなど手軽にメッセージを送受信できるものは、
意識のエネルギーを奪うという点で見れば、
ほんとに害悪でしかないんですよ。

 

まだネットすらない時代のやり取りは基本手紙で、
しかも現代みたいに出してから数日で届いたりもしない。

 

ですから、時間をかけて必要なことを余さず伝えられるように、
考えてメッセージを送っていたわけです。

 

それが、結構な時間をかけて相手に届いて、
相手もまた考えてメッセージを送って、
それが時間がたって届く。

 

必要ならまた返信してを繰り返してたわけですが、
必要な時に必要な意識を使うという点では、
このような状態は理想的だと言っていい。

 

だけどLINEなんかでやり取りする場合は基本一言二言で、
手軽にポンポンメッセージ交換できるようになった。

 

1日に何十、何百とメッセージのやり取りをする人もいて、
そんなことをすればエネルギーの消費も大きなものになる。

 

加えて重要なのはじっくり考えてメッセージを作るのも、
ちょっと考えて手軽にメッセージを作るのも、
意識のエネルギーの消費量はそんなに変わらないということ。

 

重要なことを考えようがちょっとしたことを考えようが、
意識は等しくエネルギーを使うのです

 

それを1日に何度も何度もやっていれば意識はすぐに働かなくなり、
自制心が弱まって無意識の欲求が強まる。

 

結果、継続できないという状況が続くことになります。

 

ですから、継続するためにはいかに無駄なことを意識にさせず、
必要なところで働かせられる状態を作るか。

 

現代のように意識を向けるものが多い環境では、
意識の管理が大事になってくるのです。

 

意識を適切に管理するための2つの要素

 

では、どうすれば意識を適切に管理できるのかですが、
大きく取捨選択と習慣化の2つの要素があります。

 

まず、取捨選択。

 

自分にとって重要なものをきちんと明確にして、
それ以外に意識が向かないよう環境を整えるのです。

 

というのも意識は1度に1つのものしか注意を向けられないので、
ちょっとしたことでも意識が一度それてしまうと、
元に戻す時に無駄にエネルギーを消費します。

 

例えば自分にとって大事な目的を達成するために、
どうすればいいのかを集中して考えていたとしましょう。

 

そんな時に電話がかかってくる。

 

出るにしても出ないにしても意識はかかってきた時点で、
電話の方に注意を向けてしまいエネルギーを使うのです。

 

つまり、電話がかかってくる環境で重要なことをするのが、
すでに意識にとっては無駄なことなのですね。

 

ですから、意識の注意をそらすようなものは、
必要最低限のものになるように環境を整える。

 

それだけで無駄なエネルギーの消費が減り、
自然と継続力も上がっていきますよ。

 

もう1つは習慣化。

 

習慣化っていうのは意識的な思考や行動をシステム化して、
無意識に移し替えることです。

 

ですから、簡単なことやパターン化できることは、
習慣化して無意識で自動的に行えるようにすることで、
意識の負荷を減らすことができます。

 

アップル創業者のスティーブ・ジョブズさんが、
毎日同じ服を着ていたのは有名な話ですが、
これもようは意識を無駄に使わない工夫だったわけですね。

 

同じように例えば朝の準備を一定のパターンにして繰り返し、
習慣として無意識に移し替える。

 

そうすると、朝の準備を無意識で自動的におこないながら、
意識を大切なことに向けたり休ませたりができるわけです。

 

以上、取捨選択と習慣化は自制心をうまく活用し、
継続力を上げるのに効果的なものなので、
ぜひ実践してみてください。

 

 

では、今回はここまでです。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事