
マーケター・思考設計士。個人や中小規模ビジネス向けに、マーケティング戦略のアドバイスを主におこなっている。
この記事では、そんなコピーライティングという技術について、
ビジネスで活かすことを前提にお話ししていきます。
「コピーライティングを学べば売上が一気に伸びる!」
みたいな感じで、一気にビジネスが成長するというニュアンスで、
言われることもありますが、これは本当です。
ですが、コピーライティングの本質を理解している、
という前提が必要になります。
コピーライティングのビジネスにおける立ち位置を、
知る必要があるのです。
これを知らない人、あるいは教えられない人が、
コピーライティングを教えたりすることが多いので、
結果がでない、怪しいものなどの印象が強くなりました。
ですが、ビジネスをしているならコピーライティングの技術を、
使ってないということはありえません。
必ず、使用しています。
なので今回はコピーライティングのビジネスの立ち位置と、
基本的な部分について詳しく解説していきます。
コピーライティングとは
では、はじめにコピーライティングとは何なのかについてお話します。
そもそも、コピーとは文章のことです。
広告という意味で使われることが多いですが、
文章全般のことをコピーと呼びます。
つまりコピーライティングとは、
直訳すると文章を書く技術のことなのです。
と、こうして聞くと、
何だ文章を書くことかと思うかもしれません。
ですが、コピーライティングを学ぶうえで、
文章を書くということそのものが、
特殊な技術であることをまずは理解しておかないといけません。
というのも、ほとんどの人は日常的に文章を書くことがないからです。
メールなどで誰かとやり取りするとか、
SNSで一言二言投稿するとか、その程度でしょう。
なので、例えばですがあなたの好きなもの、得意なものについて、
1万文字ぐらいで、相手にきちんと意味が伝わる文章を書いてみてください。
しかも、1時間以内に。
このように言われたとして、いきなり文章を書けるかどうかというと、
ほぼ無理なんです。
まあ、あなたみたいにこうしてコピーライテイングの記事を読んだりして、
きちんと勉強などしているなら書けることもあるでしょう。
ですが、ほとんどの人は1万文字の文章を書くこと自体がまず難しい。
仮に書けたとしても、むちゃくちゃな文章だったり、
相手に意味が伝わらない文章だったりします。
そのため、コピーライティングを学ぶ前にまずしなければならないのは、
勉強とかではなく、文章を書くことになれることです。
そして、文章を書くことになれてはじめて、
本当のコピーライティングを学ぶ段階に上がれます。
では、本当のコピーライティング。
ネットビジネスなどでもよく言われるコピーライティングとは、
どのようなものなのか。
それは、相手に行動してもらうための文章術です。
文章を読んで、相手が何かしらの行動をとることを期待するなら、
それは全てコピーライティングという技術です。
これは、ビジネスに限った話ではありません。
例えば、山にクマ注意、立ち入り禁止みたいな立札が立っているとしますよね。
これは、読んだ人に対して危険を伝え、
山に立ち入らないという行動をとってもらうためのもので、
これも広義で言えばコピーライティングなんです。
ネット上でわかりやすい例をあげるなら、
ブログ記事のタイトルをつける時。
ブログ記事のタイトルは、相手にクリックしてもらって、
本文を読んでもらうという行動をしてもらうためのもので、
これもコピーライティングなんです。
他にも、相手にOKしてもらうためのラブレターとか、
頼みごとを引き受けてもらうための手紙とか、
結婚式に来てもらうための招待状とか。
あげればきりがないのですが、
とにかく、読んで相手に何かしらの行動をとってもらいたいなら、
それはコピーライティングを利用して書かれた文章ということです。
なので、誰でも知らないうちに、
コピーライティングという技術を1度は使っていると思います。
ビジネスにおけるコピーライティングとは
では、ビジネスにおけるコピーライティングとは何なのか。
これを考える時に意識してほしいのは、
ビジネスで相手から何かしらの行動をしてもらいたい時、
それは何の目的があってやっているのかということ。
例えば、提供しているサービスに関しての、
お問い合わせをしてもらいたい時。
例えば、メルマガを読んでもらいたくて、
メールアドレスを登録してほしい時。
例えば、無料で開催するセミナーに来てほしい時。
これらは、最終的に何を目的にしているのかというと、
商品やサービスの購入という行動をしてもらうことですよね。
なので、ビジネスでのコピーライティングは、
購入というゴールに到達してもらうために、
とってもらいたい行動を促すための文章術ということになります。
購入してもらいやすくするための文章術と言い換えてもいいですが、
ようは販売前にするべき活動を円滑に行うためのものです。
そして、この活動のことをマーケティングと呼びます。
つまり、ビジネスにおけるコピーライティングとは、
マーケティングを円滑に行うための文章術です。
もし、マーケティングがいまいちなんなのかわからないのでしたら、
別記事で詳しく書いているので読んでみてください。
マーケティングについて
↓↓↓
ということで、
もしコピーライティングをビジネスで活用したいとなったら、
マーケティングでどのように活用すればいいのかを考えれば、
最大限の効果を発揮させることができます。
そしてもう1つ、セールスレターなど、
直接相手に購入という行動を促すための文章があります。
これについては、セールスライティング、セールスコピーライティング、
などと呼ばれることもあります。
マーケティングではなくセールス、
販売に特化したコピーライティングのことです。
ですが、どちらにしろ相手に行動してもらうための文章術である、
という本質は変わりませんので、呼び方に惑わされないようにしましょう。
では、次からは具体的な方法論。
どうすれば行動してもらえるか、というお話に入っていきましょう。
人はどのようにして行動するのか
コピーライティングとは行動してもらうための文章術なので、
読んで行動してもらう必要があります。
そして人に行動してもらうためには、
人はどのように行動するのかということについて、
まずは知っておく必要があります。
では、人はどのようにして行動するのかというと、
感情で行動します。
そして、後から理屈がついてきます。
人は感情で行動し、理屈でその行動に理由をつけるのです。
わかりやすい例が怒りです。
自分が怒ってどなってしまった時のことなどを、
あれば思い出してみてください。
これは、まずムカッとした感情が先にきて、
思わずといった感じで口から言葉が飛び出てしまうと思います。
そして、時間が経って冷静になると、
怒鳴ってしまった理由をいろいろ考えはじめますよね。
これが逆になることは基本的にないのです。
「相手が自分の気にしていること無遠慮に刺激してきて、
自分の中に怒りが湧いてきた。だからどなろう。」
みたいに、まずどなる理由を考えて、
その後にどなる、とはならないですよね。
人は基本的に感情で行動し、その後に理由をつけるものです。
なので、行動してもらうためには、
人の感情を刺激する方法を知ればいいということで、
コピーライティングで重要なのは、人間心理の理解です。
よくコピーライティングは感情を刺激する文章術だと言われますが、
その理由が以上のことになります。
そして、人間心理をしっかり理解していれば、
コピーライティングのテクニックみたいなものは、
実はほとんどいらないんですよね。
むしろ、テクニックばっかり詰め込んで、
人間心理をまったく考えてない文章では、
行動してもらうことはできません。
人間心理>テクニック
この法則は覚えておきましょう。
コピーライティングで絶対に超えるべきもの
ここまでコピーライティングとは行動してもらうための文章術であり、
人間心理がコピーライティングで最も重要なものとお話ししてきました。
では、具体的に行動してもらうために、
どのように相手の感情を刺激すればいいのかについてお話します。
まず、最低限3つの感情を刺激する必要があることを
覚えておいてください。
コピーライティングには3つのNotと呼ばれる、
絶対に越えなければならない壁があります。
この壁を越えるために3つの感情を刺激する必要があって、
最低限その感情を刺激していなければ、絶対に行動してくれないので、
注意しましょう。
以下が3つのNot、壁です。
- Not Read (読まない)
- Not Believe (信じない)
- Not Act (行動しない)
1つずつ詳しく説明していきます。
Not Read (読まない)
まずNot Read、読まないの壁です。
人は、基本的に文章を読んでくれません。
例えば1ヶ月に10キロ痩せる方法が書かれたブログ記事があったとしましょう。
ですが、ダイエットに興味がない人や必要性を感じていない人に、
この記事を読んでもらうのは難しいですよね。
つまり、最低限の興味を持ってもらわない限りは、
文章を読んでもらうことすらできないということです。
なので、まず相手の興味という感情を刺激して、
この読まないの壁を突破しなといけないのです。
Not Believe (信じない)
なんとか1つ目の壁を突破して、
相手に文章を読んでもらうことに成功したとします。
そうすると、次に待っているのはNot Believe、
信じないの壁です。
1ヶ月に10キロ痩せる記事を読んではもらえたけど、
その内容を信じてもらえないのです。
なので信じない、不信感という感情を解消しなければなりません。
Not Act (行動しない)
読んでもらい、信じてもらえたとしても、
それと行動してもらえるかは別の問題です。
1ヶ月に10キロ痩せられる記事を読んでもらって、
さらに内容を信じてもらえたとしても、
それを実践してもらえるかはまた別ということです。
なので、最後にコピーライティングの目的でもある行動をしてもらうために、
Not Act、行動しないの壁を突破する必要があります。
そして、これが1番難しいです。
なぜなら、人が行動するのには理由がいるからです。
例えば、ダイエットにすでに興味があり、やる気もあるなら、
1ヶ月に10キロ痩せる方法を信じてもらえさえすれば、
行動してもらうのは難しくないでしょう。
すでにダイエットにやる気を持つだけの理由があるからです。
ですが、今までダイエットに興味がなかった人は、
内容を信じてもらえたとしても、行動まではしてくれません。
行動してもらうだけの理由がないからです。
なので、行動する理由をはっきりさせることで、
行動しないの壁を突破し、目的を達成する必要があります。
行動するだけの理由、感情を刺激する必要があるのです。
コピーライティングのあらゆるテクニックは3つのNotを超えるためにある
ここまで、コピーライティング3つのNotについてお話ししてきました。
これは、コピーライティングの基本中の基本であると同時に、
全てでもあります。
コピーライティングのあらゆる知識やテクニックは、
この3つのNot、壁を超えるためにあるのです。
例えばコピーライティングのテクニックの1つに、
お客様の声を使うというものがあります。
セールスレターなどに使われるものですが、
このテクニックはNot Believe、信じないの壁を突破するためのものです。
実際に商品やサービスを購入したり実践した人の声を使うことで、
不信感という感情を和らげるために使っています。
このようにあらゆるテクニックは3つのNotを超えるためにあるので、
もしこれからコピーライティングを学ぶ際は、
必ずこの3つのNotのどれに関係するのかを意識するようにしましょう。
逆に言えば、もし3つのNotに関係ないのなら、
それはコピーライティングともあまり関係がないということです。
コピーライティングを学ぶなら人間を理解する努力をしよう
ここまでコピーライティングについてお話ししてきましたが、
全体像や基本については理解してもらえましたか?
コピーライティングとは相手に行動してもらう文章術であり、
行動してもらうまでに3つのNotを超えなければならないということ。
3つのNotを超えるためには感情を刺激する、
動かす必要があるということです。
そして、今回のお話しで最も大切なことは、
感情を刺激する、動かすこと。
つまり、人間を理解するということです。
そもそも、文章とは人に読んでもらうためのもの。
人がいて成り立つものです。
誰かに読んでもらってはじめて、文章には意味が生まれます。
そして、今回お話ししたように、人は基本的に感情で行動するので、
読んでもらうという"行動"を起こしてもらい、文章に意味を与えるためにも、
まずは人間心理、人間そのものを理解することが大切なのです。
なので、もしこれからコピーライティングを本格的に学ぶなら、
まずは人間を理解する努力からはじめ、読んでもらうことに全力を注ぎましょう。
それが、コピーライティングの第1歩となります。
では、今回はここまでです。