
マーケター・思考設計士。個人や中小規模ビジネス向けに、マーケティング戦略のアドバイスを主におこなっている。
今回はビジネスの構成要素を分解して、
ビジネスの本質を理解し応用する方法について、
お話ししていきたいと思います。
人が持つビジネスのイメージって、
だいたい2つに分けられます。
むちゃくちゃ難しそうというイメージと、
思ったより簡単そうだなというイメージです。
前者は言葉通り、ビジネスは複雑で難しそうだと感じる場合。
ほとんどの人はこのようなイメージを持つんじゃないかと思います。
逆に単純そうだと思うこともあるんですよね。
例えばブログで稼いでいる人は、基本的に記事を書いて、
投稿しているようにしか見えません。
なので、はたから見ると単純そうに見えて、
自分でもできそうとやってみる。
だけど、いざやってみるとうまくいかなかったというのは、
よく聞く話しです。
では、なんでこのようなことが起こるのか。
それは、ビジネスの構成要素を知らないからです。
ビジネスは実は3つの要素で構成されていて、
どんなビジネスのどんな活動、行動も、
3種類に分けることができます。
つまり、どんな複雑そうに見えても単純そうに見えても、
その根底には3つの要素があるのです。
今回はそんな3つの要素を知り、
ビジネスを要素分解することで本質理解する。
それを自分のビジネスに応用したりする方法について、
詳しくお話ししたいと思います。
ビジネスの流れは一本道である
まず、ビジネスの要素のお話しを理解するのに欠かせないこと。
ビジネスの流れは一本道であるということを覚えておいてください。
最初にも言ったようにビジネスはすごい複雑だと考える人は多いですが、
それは間違いなのです。
ビジネス、つまり利益を得ることを目的とする活動であるなら、
基本一本道であり、スタートとゴールが決まっています。
どういうことかといいますと、
まずビジネスの目的は利益を得ること。
誤解を恐れずに言うならお金を稼ぐことです。
もちろん、お金稼ぎのためではなく、
世の中に価値を広めたいなどどといった、
ビジネスにおける信念のようなものはあるでしょう。
ですがビジネスを維持し、回していくには、絶対に利益が必要です。
利益、ビジネスではキャッシュと呼んだりしますが、
これがないなら価値を広めたり与えたりはできなくなります。
それにビジネスオーナーは利益がなければ、
自分自身にも給料を払うこともできない。
生活することすらできなくなります。
なので、ビジネスとは必ず利益を得ることが目的の1つであり、
そうでなければならないのです。
と、これについて話し出すと長くなる上に、
今回のお話しとは関係ないのでここまでにしておきましょう。
とにかく、それがビジネスであるなら、
必ず利益を得る必要があるのです。
そして利益を得たいなら、必ず利益が発生するポイントを作る必要があります。
商品やサービスの販売、
アフィリエイトのような他人の商品やサービスなどの紹介、
Googleアドセンスのようなクリック報酬型の広告など。
こういったポイントで、相手に利益が発生する行動を取ってもらうこと。
これをマネタイズといいます。
つまり、ビジネスのゴールとはマネタイズです。
しかし当然ですが、マネタイズするためには、
提供するものに対して価値を感じてくれる人、
ようは顧客がいなければなりません。
商品やサービスを購入してほしいと思ったら、
購入してくれる人を集めなければならないのです。
つまり、ビジネスのスタートとは集客です。
ビジネスではまず、集客を行わなければなりません。
このようにビジネスとは集客をスタートとし、
マネタイズをゴールとする一本道です。
どんなに複雑そうなことをやっているように見えたとしても、
必ず最初に集客を行っていて、最終的に成約を目指している。
それがビジネスであるなら、この流れに例外はないのです。
ビジネスを構成する3つの要素
では、本題のビジネスの構成要素について、
詳しく解説していきます。
はじめにも少しお話ししたように、
ビジネスは3つの要素で構成されていて、
全ての活動は3種類に分けられるのです。
では、この3つの要素ですが、
2つについてはすでに登場しています。
集客とマネタイズですね。
そしてもう1つ、教育と呼ばれるものが入ります。
- 集客
- 教育
- マネタイズ
この3つがビジネスにおける構成要素です。
そして、先程も言ったようにビジネスとは一本道であり、
スタートは集客でゴールはマネタイズ。
なので、教育はそのあいだに入るものです。
これがビジネスの要素であり、決して変わらない一本道です。
イメージとしては以下のような感じですね。

このように集客という入り口、スタートを多く持って、
集めた人を教育して、最終的にマネタイズするという一本道。
安定したビジネスはだいたいこのような形を取ります。
では、要素についてもう少し詳しく解説していきます。
集客
集客はビジネスのスタートでもある要素です。
読んで字のごとく、お客さんとなる人を集めることをいいます。
そして先に話しましたがマネタイズしたいなら、
人がいなければ話になりません。
ですからビジネスを立ち上げたばかりは特に集客が最優先課題で、
集客できなければビジネスどころではないのです。
もしビジネスを立ち上げようという段階にきたら、
必ず集客をどうするかは考えないといけません。
教育
集客が最優先なら教育は最重要です。
ビジネスにおいて、教育ができるかできないかで、
得られる利益は大げさでも何でもなく、桁が変わります。
例えばまったく同じ質の商品を扱っている人が2人いるなら、
教育できるかできないかで売れる商品の数に圧倒的な差がでるのです。
なので、ビジネスで独立したいぐらいの目標を持つなら、
教育は必ず必要になります。
では教育とは何なのかですが提供するものに価値を感じてもらうために、
相手に持っておいてほしい知識や情報、データなどを提供することです。
いまいちイメージしづらいと思いますが例えば、
頭の回転がすごい良くなる本を買ってもらいたいとします。
ですが、この本を最初からすごい欲しい!と思っている人は、
おそらくほとんどいないわけです。
頭の回転が良くなるからなんだ、
別に頭の回転なんて早くしたくない。
このような感想しか出てこないでしょう。
なので、まず相手に頭の回転を早くしたい!と思ってもらわなければならず、
その後に頭の回転を早くするにはこの本が1番!と思ってもらう必要があるのです。
そのために色々な知識や情報、データなどを提供し、
成約してもらいやすくするのですね。
ただ、こうして教育のお話をするとほしくない人を相手に、
無理やりマネタイズするのかと悪い印象を持つ人もいます。
ですがそうではなく教育とは価値観の共有なのです。
例えば先程の頭の回転が早くなる本を売っている人は、
その本が相手にとって価値あるものであると思っているからこそ、
販売しているはずですし、そうでなければなりません。
そうでなければ価値が無いものを販売しているということで、
詐欺と同じになってしまいます。
自分が売っているものは価値あるものだという価値観があって、
それを相手にも共有してもらうことを教育というのです。
ですから価値観を共有できない相手は、
どうやっても教育はできない。
どれだけ自分は頭の回転が早くなることに価値を感じていて、
それが相手の人生を大きく好転させるようなものと信じて、
いろんな情報やデータ、体験談などを話していく。
それでも、それに価値あるものと感じない人はいて、
そういう人は教育の段階でいなくなっていくので、
マネタイズの段階まで残ることはない。
逆に言えばマネタイズの段階まで残ったにも関わらず、
価値観を共有できてない人がいたとしたら、
それは教育が不十分だったということ。
教育の段階で提供するべきものができてなかった。
なので教育をきちんとおこなえことのほうが、
自分も相手も時間や労力を無駄に消費させてしまのです。
なので、教育を学ぶことは意識してみてください。
マネタイズ
最後の要素でありゴールでもあるのがマネタイズです。
マネタイズと聞くと大抵の人は商品やサービスを開発し、
それを販売することを思い浮かべると思います。
ネットビジネスについて情報収集していたら、
アフィリエイトやアドセンスなどの、
広告収入を思い浮かべる場合もあるかもしれません。
ですが、マネタイズするうえでは特定の方法等は、
とりあえず意識しないようにしてください。
大事なのは相手をどういう状態にすることで、
価値を与えようとしているのかをまず考えること。
そしてそれにもっとも合ったマネタイズ方法は何か?
この順序で考えていくことです。
ようはマネタイズ方法ありきじゃなくて、
まずは提供する価値をきちんと明確にして、
そのうえで考えていくのです。
先にマネタイズ方法にフォーカスしてしまうと、
ビジネスの展開の仕方に制限がかかってしまう。
ですが、与える価値を中心に考えていけば、
今ではいくらでもマネタイズ方法があるので、
あらゆる展開の仕方ができるようになります。
なので、以上の順番は頭に入れた上で、
マネタイズについて考えてみてください。
なぜビジネスは複雑そうに、あるいは単純そうに見えるのか
ここまで、ビジネスは3つの要素で構成されたもの。
スタートとゴールが決まった一本道であるというお話をしてきました。
では次に、なぜビジネスは複雑そうに見えたり、
単純そうに見えたりするのかについてお話します。
この理由は簡単でビジネスを要素ではなく行動で見てるからです。
例えば何かのビジネスをはじめたいと思って、
そのビジネスで稼いでいる人を研究してみようとしたとします。
その人は、SNSやブログ、スマホアプリの配信やメルマガなど、
様々なことをやっていてこれを行動としてみると複雑に見えるのです。
ですが、今回お話ししたようにビジネスは、
集客、教育、マネタイズの三要素に分けられるので、
行動全てが3つのどれかの要素に当てはまる事がわかります。
SNSやブログ、スマホアプリの配信は集客に使われることが多く、
メルマガは教育に使われることが多いです。
このように、行動を要素に当てはめると、
複雑そうなものをわかりやすいものに変換することができ、
行動だけを見ると必要以上に難しく見えます。
逆に、単純そうに見えるものの裏側を、
はっきりさせることもできます。
例えば最初にお話したブログ。
ブログで稼いでいる人の行動だけを見ると、
ひたすら記事を投稿しているようにしか見えません。
なので、これなら自分にも稼げそうとブログを開設して、
一生懸命記事を書いたりするのですが、うまくいかない。
このようなことはよく起こるのですが、
これはブログ記事を書いて投稿するという行動だけを見て、
その裏側にある要素を見ていないからです。
もう何度もお話ししていることですがビジネスは、
集客、教育、マネタイズの3つの要素があります。
ということは、どれも同じように見えるブログ記事も、
集客用、教育用、マネタイズ用と、
3種類の記事があるということなのです。
場合によっては1記事で全ての要素を含む場合もありますが、
どのような形にせよ結果が出るブログには3つの要素がある。
一見単純そうに見えるものでも、それがビジネスであるなら、
かならずこの3つの要素を含んでいるのです。
このことを理解しておかないと、単純そうだからと安易に手を出して、
こっぴどく失敗してしまうというようなことも起こります。
以上が、ビジネスは複雑そう、あるいは単純そうに見える理由ですね。
ビジネスを要素分解して本質を正しく理解する方法
では最後に、ビジネスを要素分解することで、
正しい本質や流れを見極める方法についてお話しします。
これができるようになると、ビジネスを研究するのはもちろん、
研究したことを自分のビジネスに活かせるようにもなるので、
ぜひ実践してみてほしいなと思います。
では具体的な方法ですが、基本的にはゴールから逆算します。
まず、ビジネスにおけるマネタイズの部分を、
はっきりさせることが大切です。
例えばメルマガでビジネスをはじめたくて研究しようと思った場合、
まずはいろんな人のメルマガに登録します。
そうすると、1日1通ぐらいの頻度でメールが届き、
だいたい5~7日ぐらいで何らかの商品のセールスや紹介が入ります。
その地点がゴール、そのメルマガ製作者が、
ビジネスとして利益を得るためのポイントです。
それがわかったら、今度はその流れを逆にたどっていって、
どのような経路からそのメルマガに登録を促しているかを明確にしていきます。
ブログ、SNS、PPC広告などなど、色々な集客地点があると思うので、
できる限り探すのです。
それができたら、後は簡単。
ビジネスは一本道なので、
集客口とマネタイズ地点以外の全ては教育です。
このようにして行動を要素ごとに振り分けたら、
例えば集客の研究をしたいなら、
集客の要素に振り分けた行動を研究する。
どのように人を集めているのかをはっきりさせていきます。
教育もマネタイズも同じように、
どのような方法を使っているかを、
詳しく見ていきましょう。
で、このようなことを繰り返していると、
必ずみんな同じようなことしているなと気づくはずです。
こんな感じのメールをこんな順序で流しているなとか。
だいたいこれぐらいの値段の商品なら、
これぐらいの期間で成約させようとしているなとか。
成約を提案してから数日間は提案し続けているな、などなど。
基本的に同じビジネスモデルなら表現や内容は違っても、
本質はあまり変わりません。
※ビジネスモデルとは利益が出るまでの流れだと考えてください。
なので、ビジネスの要素分解の基本は、
行動の要素振り分けと、数をこなすことです。
この2つができれば、あなたはどんなビジネスであってもその本質を理解し、
自分でやっても成果を出すことができるようになったり、
相手に成果を出す方法を教えられるようになったりしますよ。
ビジネスのイメージはほとんどが思い込み
今回お話してきたようにビジネスは、
3つの要素で構成された一本道です。
ようは障害物競走のようなもので集客からスタートし、
教育という障害をくぐり抜けてマネタイズというゴールを目指す。
これが基本的な形で、これを繰り返したり、
途中で枝分かれさせたりすることで複雑そうに見える。
または、やること全てが同じように見えて、
すごい単純そうに見える。
そして、行動だけを見た思い込みでイメージが作られるのです。
ですが、全ての行動は3つの要素で構成されていると知っていれば、
ビジネスのあらゆる行動を要素別に振り分けて、
自分のビジネスに応用できる。
または、自分のビジネスがうまくいかないときなどに、
行動を要素別に振り分けて、何が足りてないのかを分析でき、
改善したり、新たな手を手を打ったりできます。
なので、ビジネスを常に要素別に振り分ける癖を、
日頃からつけてみてください。
そうすれば、ビジネスを思った以上に複雑に感じることもなければ、
隠された裏の意図を見逃すようなこともなくなりますよ。
では、今回はここまでです。