
マーケター・思考設計士。個人や中小規模ビジネス向けに、マーケティング戦略のアドバイスを主におこなっている。
試行錯誤って聞くとどんなものを思い浮かべますか?
1つの正解に向かっていろいろと考えたり実践しながら、
ちょっとずつ前に進んでいくようなイメージかもしれません。
ですが、試行錯誤は正解を導くものではないし、
そのように考えてると大きな失敗をすることもある。
なので、今回は試行錯誤ってそもそもどういうものか、
どのように実践していくものなのかについて、
お話してみようと思います。
知っているのといないのとでは試行錯誤によって、
得られる成果などが大きく変わるので、
ぜひ最後まで読んでみてください。
試行錯誤とはそもそも何なのか
先に結論からお話すると試行錯誤とは適応です。
ある正解に対して自身を適応させること、
あるいは自身に適応する成果を見つけ出すことを、
試行錯誤といいます。
どういうことかというとまず知っておいてほしいのは、
この世界に正解がはっきり決まっているものは、
そうそうないということ。
例えばビジネスで成功する方法とかっていろいろな人が、
いろいろなことを言っているのが少しでも調べればわかる。
じゃあ、その別々の人が言っている方法のうち、
正解は1つだけでそれ以外は間違いなのかと言えば、
そうじゃないわけですよ。
むしろその逆で本当にそれで成果を出しているのなら、
それらはその人にとっては全て正解なわけです。
ようは、大抵の分野においての正解というのは、
自分にとって正解かどうかの問題であって、
1つの真理みたいな正解はないということですね。
数学とかみたいに正しい手順で計算すれば、
必ず同じ答えが出るような分野でなければ、
これは共通して言えること。
試行錯誤するっていうことは数学とかを除けば、
自分に適応する正解を探すための過程なのです。
思考錯誤できない人が大抵成功できない理由
ですから、本当の意味で試行錯誤できない人は、
大抵何事においても成功できない。
見つけ出そうとするにせよ与えられるのを待つにせよ、
1つの正解があると考えそれを求めているからです。
繰り返しになりますが真理みたいな1つの正解というのは、
一部を除く大抵の分野においてはない。
自分にとって正解となりうるものはいくつもあることが多いし、
中にはすでにそれを知っているという場合もあります。
ただ、その正解から自身に適応するものを見つけ出す、
または自身がそれに適応していくという意識がない。
本当の意味での試行錯誤ができてないがために、
うまく成果が出なかったり仮に出たとしても、
なぜか充足感などが感じられない。
そんな状態になってしまうこともあるのです。
試行錯誤するために知っておきたい2つの方向性
ですから、試行錯誤するなら適応するという考え方を、
きちんと意識するのが大事です。
そのうえで先にも話した2つの方向性。
自身が適応するのか自身に適応するものを見つけるのか、
どちらを選ぶかを明確にしてみてください。
自身が適応するというのは変化成長すること。
今の自分にはできないけどそれが成功につながっているなら、
できるようになるために自身を変化成長させる。
そのために何が必要かを考えて実践していくのが前者の方向性。
この方向性は最終的に得られるものを、
より多く大きくしていくことができます。
ただ、時間がかかることが多いので、
短期間で成功したいなどには不向き。
対して、自身に適応するものを見つけるというのは、
現状での最適解を見つけ出すということ。
成功するために今の自分に取れるあらゆる選択肢の中から、
最も必要だと考えられるものを試していくのが後者の方向性です。
この方向性なら現状で到達可能な成功に対して、
最短距離で近づいていくことができる。
だけど、現状の自分でできないことはできないので、
成功に対して何かしら妥協せざるを得ないこともあります。
どちらも一長一短あるわけですがこの2つは、
基本的には相互補完的な関係にある。
なので、両方をバランス良く取り入れていくことで、
最大限の効果を発揮します。
変化成長することで取れる選択肢を増やしていきつつ、
そこから最適なものを取捨選択していくことで、
より多く大きな成功につなげていくことができる。
ですから、バランス良く取り入れるという意識は、
ぜひ持ってみてください。
1つの正解という考え方から抜け出すことが試行錯誤の第一歩
試行錯誤についてここまでお話してきましたが、
とりあえず真っ先にやってみてほしいことは、
1つの正解という考え方から抜け出すことです。
というのも、日本に生まれた人は様々な価値観や思考傾向を、
最も効率よく吸収できる子供時代を学校で過ごします。
で、この学校って基本的には1つの正解を導くことを、
教育するための場所だと僕は思ってるんですよ。
例えばテストは国語みたいに受け取り方次第な問題でも、
基本的には決まった正解があってそれを導いていく。
うまくできればできるほど成績が良くなっていくシステムで、
それによって将来の進路なども決まってくるものです。
ですが、学校を卒業して社会に出ていくと今度は、
様々な正解が存在する世界に放り込まれる。
試行錯誤というそれまでとは真逆のことを、
求められる機会もどんどん多くなります。
だけど、それまで1つの正解を導くことが正しいという環境で、
そのための方法とかを学んで生きてきたわけですから、
そう簡単に本当の意味での試行錯誤は実践できない。
その結果が1つの正解を導こうとするズレたものか、
あるいは与えられるのをただ待つだけという、
そもそも試行錯誤そのものをしないという状態。
ここから抜け出すにはとりあえず1つの正解があるという、
前提がまずは間違ってるんだということを受け入れる。
世の中には人の数だけ正解があることがほとんどであると、
まずは意識できるようになることです。
そのうえで、それに適応していくか自分に適応させるかを、
実際に選択し行動していくことが試行錯誤。
このことは覚えておいてもらえればと思います。
では、今回はここまでです。