なぜ、起業するためにスキルやテクニックばかり追い求めると失敗するのか?
【記事執筆者】水川健人
マーケター・思考設計士。個人や中小規模ビジネス向けに、マーケティング戦略のアドバイスを主におこなっている。
【価値あるものが正しく認められるビジネス業界】を目指して日々活動中。

 

起業する、自分でビジネスをはじめるとなったとき、
様々なことを勉強したり準備したりするでしょう。

 

成果を出すために必要だと思われるスキルやテクニックを、
必死になって身につけたりすることもあるはずです。

 

ですが、このスキルやテクニックを必死になって身につけること。
これが、起業で失敗する可能性を高めてしまうことがあります。

 

今回はなぜ、起業するためにスキルやテクニックを追い求めると、
高確率で失敗してしまうのかについてお話ししようかと思います。

 

スキルやテクニックはビジネスにおけるパーツでしかない

 

ではまず、結論からお話ししましょう。

 

スキルやテクニックを追い求めると失敗しやすい理由は、
これらはあくまでもパーツに過ぎないから。

 

スキルやテクニックというのはビジネスのごく一部でしかなく、
それ単体では起業するうえでほとんど役に立たないからです

 

と言われてもいまいち意味がわからないと思いますが、
例えばネットビジネスで起業する場合。

 

そのためには、例えばブログ(SEO)が必要だ。
ブログを使って検索エンジンで上位表示できれば成功できる。

 

と、このように考えている人が多くいます。

 

ですが、実際にブログの使い方やSEOを身につけても、
それで成果をだせるのかというと半々。

 

だせる人はだせますが、だせない人はだせないというのが現状です。

 

仮にだせたとしても一時的である場合が多く、
Googleのアルゴリズムのアップデートとかで、
一気に成果が激減するということも頻繁に起こります。

 

ちょっとしたお小遣い稼ぎとかならともかく、
起業してそれ一本で生活していくのであれば、
成果が頻繁に上下するのは死活問題ですよね。

 

ですが、逆にこういったときでも安定して、
成果を出し続ける人達もいます。

 

この成果がでる人とでない人、安定している人といない人の違い。

 

それが、先ほどお話ししたスキルやテクニックは、
ビジネスにおける一部でしかないことを理解できているかどうか。

 

スキルやテクニックという全体の一部分ではなく、
ビジネス全体を見ることができているかどうかです

 

スキルやテクニックは適切な箇所に配置されてはじめて活躍する

 

ようはスキルやテクニックは戦術であり、それを活かすための土台、
自分のビジネスを支える戦略があってはじめて活躍できるのです。

 

先ほどのブログの使い方やSEOにしても、それが自分のビジネスの中の、
どのような場所でどのような形で力を発揮するのか?

 

これが明確になっていなければ、どれだけ高いスキルであっても、
それが成果に直結することはありません。

 

実際、SEOのスキルや知識、経験を持っていても、
なぜSEOがビジネスで成果を出すうえで重要なのか?

 

どこで力を発揮するものなのか?

 

この問いに対して明確に答えを返せない人は多く、
それはSEOを戦略の一部分として見れていないからです。

 

そして、答えられないということはビジネスで成果を出すうえで、
それを効果的に使うことができないということですから、
当然、成果に直結するような行動としてあらわれることもありません。

 

逆にある程度のスキルしかなくても全体の戦略の中で、
きちんと役割が明確になってさえいれば、
何倍も大きな力を発揮することができます。

 

SEOは自分のビジネスの戦略の中で〇〇という役割があり、
だからこそ重要な要素である。

 

このように明確に答えることができるのなら、
それは結果に直結する行動となるのです。

 

起業家の仕事とはビジネス全体の戦略を構築すること

 

ここまで、スキルやテクニックはあくまでも戦略の一部であり、
それ単体では起業にはほとんど役に立たない。

 

このようにお話ししてきました。

 

そして、このことを理解できると起業家の仕事とは、
スキルやテクニックを身につけることではなく、
自分のビジネスを運営していくための戦略の構築。

 

スキルやテクニックを活かすための土台を作ることであり、
極論を言えば自分がスキルなどを持っている必要はないのです

 

個人起業にこだわるのであれば戦略の構築に加え、
戦術的なスキルやテクニックも自分で身につけ、
行動していく必要はあります。

 

ですが、ビジネスでは全てを自分でやる必要はありません。

 

従業員を雇ったり、成果の一部を報酬として誰かと組んだりなど、
自分に足りないものを人に補ってもらうことができます。

 

実際、従業員を抱える企業の社長が、
部分的なスキルやテクニックに詳しいかというと、
必ずしもそういうわけではありません。

 

例えば車の製造、販売会社の社長が車の製造技術に詳しいかというと、
必ずしもそういうわけではないですよね。

 

というか、成果をだしている企業の社長であるほど、
細かい業務に直接携わってない場合が多い。

 

これは、確固たる戦略がビジネスの土台としてあり、
そこに適切なスキルやテクニックを持った従業員を、
明確な役割を与えて配置することができているからなのですね。

 

つまりは、起業して成果をだしたいと思うならまずすべきなのは、
自分のビジネスの土台となる戦略を構築すること。

 

スキルやテクニックはその戦略を形にするためにあるということです

 

だから、先にスキルやテクニックを必死になって身につけても、
ビジネスの戦略がなく役割がないのであれば意味がない。

 

結果、起業しても失敗しやすいのです。

 

起業して長期的に成功し続けたいなら戦略を構築できる人になろう

 

日本でも有名な三国志演義の登場人物の一人である劉玄徳。

 

人徳の人と呼ばれ人望が厚く、付き従う2人の義兄弟、
関羽と張飛も後世に語り継がれ続ける優秀な方たちです。

 

加えて趙雲子龍などの武勇に優れる優秀な配下にも慕われることとなる。

 

にもかかわらず、劉玄徳は大望を持ちながらもただの流浪人として、
決まった国を持たず各地を転々とする時期が続く。

 

その大望を阻む魏の曹操から命を狙われるも、
逃げ続けることしかできませんでした。

 

ですが、ある時期を転機として劉玄徳はその勢力を拡大させ、
後に三国と呼ばれる一角を担う蜀という国を興したのです。

 

このある時期とは、言わずと知れた蜀の軍師との出会い。

 

三国志演義で最も有名な人と言っても過言ではない諸葛亮孔明です。

 

この方は劉玄徳に当時最大勢力であった魏の力を削ぐと同時に、
自らの国を興し魏の次に力を持った呉も含めた三すくみを実現し、
しかるべき時を待って魏を打倒することで大望を実現する。

 

天下三分の計という大望成就のための戦略を授けます。

 

加えて自らも劉玄徳に付き従い、天下三分の計という戦略を実現するため、
劉玄徳の持つ人望という力や、優秀な義兄弟や配下の力を戦術として活かし、
最終的には蜀を興し魏呉蜀での天下三分を成し遂げたのです。

 

 

で、このエピソードからもわかることは、どれだけ力のあるものでも、
それがバラバラに存在しているだけでは意味がないということ。

 

劉玄徳さんもその配下の人たちも何かしらの力や才を持っていましたが、
その全てを束ねて一つの力として運用できる人がいなかった。

 

ですが、諸葛亮孔明という全体を俯瞰できる人が現れることで、
バラバラの点は一つの大きな線となったのです。

 

そして、これはビジネスにもあてはまります。

 

劉玄徳さんの大望は、いわばビジネスにおけるビジョン、
ビジネスで実現したい未来です。

 

優秀な義兄弟や配下は、ビジネスにおけるスキルやテクニック、
あるいはそれらを持つ優秀な従業員と同じ。

 

ですが、大きなビジョンがあって高いスキルや優秀な従業員がいても、
それが成功に直結するわけではない。

 

それらをまとめ、適材適所で活かすための戦略が必要なのです。

 

なので、もし起業して成功したいと思うのなら、
あなたは自分のビジネスのトップであると同時に、
戦略を構築できる軍師。

 

全体的な戦略を構築し、スキルなどの戦術を、
効果的に活かせる人にならないといけないのです。

 

起業して長期的に成功し続けたいのなら、
このことはぜひ意識しておいてほしいと思います。

 

 

では、今回はここまでです。

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