『憧れは理解から最も遠い感情だよ』は、ビジネスの成否の本質をついている
【記事執筆者】水川健人
マーケター・思考設計士。個人や中小規模ビジネス向けに、マーケティング戦略のアドバイスを主におこなっている。
【価値あるものが正しく認められるビジネス業界】を目指して日々活動中。

 

先日、ふらっと立ち寄った古本屋でBLEACH(ブリーチ)という、
ジャンプで連載されていた漫画を見つけました。

 

有名な漫画なので名前ぐらいは聞いたことがあるのではないでしょうか?

 

この漫画は学生の時に読んでいて、
その時はバトルシーンかっこいいなぁとか思って読んでたんですよ。

 

でも年を食うごとに読まなくなっていって、
結局最終回まで読まなかったんですね。

 

ですが完結したという話しを聞いて、
今回目に入ったのをきっかけに懐かしくなって、
全巻揃えて最初から読み返してみました。

 

するとやっぱり成長したからなのか、単純にかっこいいバトル漫画じゃなくて、
もっと別の視点から物語や些細なセリフを読めるようになってたんです。

 

その中でも特に印象に残ったのが、今回のタイトルにもあるこのセリフ。

 

憧れは理解から最も遠い感情だよ

BLEACHより引用

 

これ読んだ時、ビジネスで成功できるか失敗するか。
その境目の本質を、すごいストレートに付ついてるなと思ったわけです。

 

とにかく印象に残ったうえに、ビジネスを始めたいなら知っておいてほしいとも思うので、
今回はビジネスの成否を分けるこのセリフから学べる重要なことについて、
お話ししたいと思います。

 

『憧れは理解から最も遠い感情だよ』はどのような状況で放たれたセリフなのか

 

まず『憧れは理解から最も遠い感情だよ』は、
どのような状況で放たれたセリフなのかについて、
少しお話ししておきます。

 

 

そもそもBLEACHという漫画は、死神という存在が、
虚(ホロウ)と呼ばれる死後の魂が何らかの理由で変質してしまった、
簡単に言えば化け物と戦う物語です。

 

この漫画において死神は正義、善の存在であり、
ホロウを退治し、生まないようにする役目を持っています。

 

ようは、死後の魂を取り締まる警察ですね。

 

そして、この死神や死後の世界が集まる世界を尸魂界(ソウル・ソサエティ)と呼び、
護廷十三隊と呼ばれる機関によって守られています。

 

で、護廷十三隊ですが十三隊とあるように、13の隊とそれを束ねる13人の隊長がいて、
この隊長が作中で最も位が高く、強い力を持つ正義の死神なわけです。

 

まあ、実際には最後の方に零番隊とか出てくるのですが、
今回は関係ないので置いておきましょう。

 

しかし、実はこの13人の隊長の中には裏切り者がいて、
それがBLEACHでも強大な悪役の1人である、
5番隊隊長の藍染 惣右介(あいぜん そうすけ)という死神です。

 

この藍染 惣右介がある時をきっかけに裏切りを表に出し、
明確な敵意を持って死神達と敵対します。

 

このある時に、藍染 惣右介を補佐する役割だった、
5番隊副隊長の雛森 桃(ひなもり もも)という死神を指して放たれたのが、
『憧れは理解から最も遠い感情だよ』です。

 

 

どういうことかというと、この雛森 桃という死神は、
藍染 惣右介を尊敬していると同時に、異性として好意を向けていました。

 

つまり、死神としても男性としても、
藍染 惣右介に憧れていたわけです。

 

なので、副隊長という隊長を補佐する役割、
藍染 惣右介という存在に最も近いところにいながら、
その裏切り、隠された側面に何1つ気づかなかった。

 

あるいは気づかないふりをしていた雛森 桃を指して、
『憧れは理解から最も遠い感情だよ』というセリフを放ったわけです。

 

『憧れは理解から最も遠い感情だよ』から学べるビジネスの成否を分けること

 

では、前置きが長くなりましたが本題に入りましょう。

 

『憧れは理解から最も遠い感情だよ』から学べる、
ビジネスで成功するか失敗するかの境目にあること。

 

これは2つあります。

 

  • ビジネスに憧れを持って始めるかどうかで成否が決まる
  • 憧れを自分の現実だと錯覚するかどうかで成否が決まる

 

この2つです。

 

ビジネスに憧れを持って始めるかどうかで成否が決まる

 

まず、ビジネスに憧れを持って始めるかどうかで、
成功するか失敗するかは8割方決まるということ。

 

というのもビジネス、特にネットビジネスを始める人っていうのは、
多くの場合が憧れです。

 

特に多いのが自由に対する憧れ。

 

ネットビジネスを始める人は大なり小なり、
必ず自由に対して憧れを持っていると思います。

 

また、成り上がりに憧れを持つ人もいるでしょう。

 

少資金からでも大金持ちになれる、
海外を飛び回りながら美女を侍らせる生活みたいな感じのものです。

 

他にも探せば色々あるでしょうが、
今ではネットビジネスなどリスクの少ないビジネスが出てきて、
そこで成功する人が出てきて、人が憧れるような情報発信をする。

 

そのせいで、多くの人が憧れからビジネスを始めるようになりました。

 

ですが、これが失敗する最大の原因だと、
個人的には思うのです。

 

『憧れは理解から最も遠い感情だよ』。

 

このセリフにもあるように、
憧れれば理解することを放棄してしまいます。

 

つまり、ビジネスに対して、ビジネスを始めることに対して憧れてしまえば、
実際にビジネスをするというのはどういうことかを理解しようとしなくなるのです

 

僕はこれを、夢を現実に変える覚悟がない、と呼んでいます。

 

 

例えば経済的、時間的な自由に憧れ、
それを可能とするビジネスに憧れ、
ビジネスを始めたとしましょう。

 

実際、ビジネスで経済的、時間的な自由を得るのは可能でしょう。

 

ですが、それを得るまでに実際に立ちはだかる壁、
知識、スキル、人とのつながり、環境。

 

こういった現実として乗り越えなければならない壁を、
憧れから入ってしまうと理解しようとしない、できなくなるのです。

 

そうすると、実際にその壁にぶち当たった時、
それを乗り越えることができず挫折する、失敗してしまいます。

 

なので、ビジネスを始める時は憧れ、夢を持つのも良いですが、
それを現実に変えるまでの道のりを理解したうえで、
それを乗り越えるだけの覚悟が必要ということです。

 

憧れを自分の現実だと錯覚するかどうかで成否が決まる

 

もう1つは、憧れを自分の現実だと錯覚するかどうかで成否が決まる。

 

つまり、憧れたことが本当に自分が求めている、
自分が達成したい目的であると勘違いしてしまうと、
ビジネスでは高確率で失敗してしまうのです

 

 

例えば先程からお話ししている自由。

 

経済的、時間的な自由が欲しいという人に、
じゃあ自由になって何をしたいのかと聞くと、
高級車に乗りたいとか海外旅行に行きたいとか。

 

中にはあまり働かずに過ごしたいというのもあります。

 

では、高級車に乗りたいのは、海外旅行に行きたいのは、
あるいは働かずに過ごしたいのはなぜなのか?

 

それらをすることで、あなたが得られるもの、
得たいものは何なのか?

 

このように聞くと、ほとんどの人は答えにつまります。
答えられても曖昧で要領を得ない場合が多い。

 

これはなぜかと言うと、本心から求めてない、
本当に自分が望むものではないからです。

 

高級車を乗りまわしたい、海外を飛び回りたい、
働かずに過ごしたい。

 

こういったビジネスを始める時の目的を、
本心では別に求めていないのです。

 

これらはただ、他人の成功や情報発信に対する憧れが生み出しただけで、
それを自分が本当に求めているものだと錯覚しています。

 

そうするとどうなるかというと、
どうすれば成功できるかはわかっているけど、
実際の作業が手につかず挫折というのが最も多いパターン。

 

中には成果を出せはしたんだけど、
なんか求めたものと違うなとビジネスから離れるパターンもあります。

 

ちなみに、このパターンについては実際に知り合いにいて、
その人は自由を求めて会社員をやりながらネットビジネスを始め、
後は独立してもやっていけるだろうというところまで成果を出しました。

 

ですが、そこまで来たのにもかかわらず、
結局ネットビジネスの方をやめて会社員に専念するようになったのです。

 

その理由が、なんか別に自由とかどうでも良くなった、でした。

 

実際に自由に手が届くところまで来て、
そこまで自分が、自由を求めていない事に気づいたわけですね。

 

むしろ、会社員やってた方が気が楽だと。

 

他にも、いつ独立できるにもかかわらず本業はあくまでも会社員、
という人も結構います。

 

こういう人達を見て多くの人は首をかしげるでしょうが、
こういう人達は自分自身が本当に望むものをきちんと理解しているのです。

 

そしてそれは、憧れからくる錯覚などではなく、
自分が心から本当に求める、自分だけの望みだからこそ、
人から見るとなぜと思えることもあります。

 

ですが、そんな本当の望みこそが、
ビジネスをやるうえで、あるいは他のあらゆることに対して、
大きな原動力となり、成功までの道を歩く力となるのです。

 

逆に望みを錯覚してしまうと、
原動力不足で挫折、失敗ということになるんですね。

 

憧れという他人から、自分自身へ

 

ビジネスに対して大なり小なり憧れを持ってしまうのは、
仕方がないと思います。

 

現在、特にネットビジネス関係の情報発信をする人の多くは、
自由なライフスタイルやどん底からの成り上がり、
初心者でもできるなど。

 

憧れさせるような情報発信が多く、
中には意図的に憧れさせようとする人もいるからです。

 

ではなぜ、憧れさせるような事を言うのか?

 

これも実は、BLEACHのあるセリフに答えがあります。

 

藍染 惣右介が放った『憧れは理解から最も遠い感情だよ』の直前に、
別のセリフを放っているのです。

 

それが、以下のセリフ。

 

自分に憧れを抱く人間ほど御し易いものは無い

BLEACHより引用

 

これはつまり、本気で憧れられた人間は、
憧れた人間を思い通りに動かすことなど簡単だと言っています。

 

今回お話ししてきたように、
現実に立ちはだかる壁を理解しようとせず、
憧れを自分の本当の望みと錯覚してくれるからです。

 

そのため、意図的に人を憧れさせるだけの内容がスカスカな動画とかを見せて、
詐欺的な教材を買わせる手法に引っかかるという事例も数多くあります。

 

これは相手の利益は関係なく、自分だけが稼ぐための典型例ですね。

 

また、実際に相手に成功してほしいという気持ちがあって、
質の高い教材などをきちんと作り、現実に立ちふさがる壁も事前に教える。

 

それでもそこに憧れが入ると、
現実の壁を正しく理解できず、本当の望みを錯覚し、
途中で挫折などもおこるわけです。

 

 

なので、もしビジネスで成功したいと思うなら、
1度自分の本当の望みをはっきりさせてみること。

 

そうすると、実はビジネスで成功することが、
本当の望みではなかったと気づく場合もあります。

 

そして、実際に自分はこんな理由でビジネスで成功したいと思うなら、
今度はそれを達成するために立ちふさがる、自分だけの現実の壁を正しく認識する。

 

つまり、憧れから生まれた錯覚の望みや、
憧れた他人の作った壁ではなく、自分自身。

 

自分に必要な現実をきちんと知るのです。

 

そうすれば他の誰が決めたものでもない、
自分が本当に求める成功への道を歩めるようになりますよ。

 

 

では、今回はここまでです。

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