
マーケター・思考設計士。個人や中小規模ビジネス向けに、マーケティング戦略のアドバイスを主におこなっている。
この記事ではビジネスを個人ではじめたいなら捨てておきたい。
そんな2つの考え方というテーマについてお話していきます。
特に、これまでは会社員など雇われて働いていたけど、
独立してビジネスを運営していくことを目指す。
このような場合には特に知っておいてほしい内容です。
というのも独立してビジネスを運営していくのと、
雇われて活動するのとでは軸となる考え方が違います。
今回話していく考え方を持ったままビジネスを運営してしまうと、
痛い目を見る可能性が高いのできちんと知っておいてほしいのです。
個人でビジネスを運営したいなら捨てておきたい2つの考え方とは
捨てておきたい考え方は以下の2つです。
・時間=成果という考え方
・労働=成果という考え方
時間=成果という考え方
まず真っ先に捨ててほしいのが時間=成果という考え方。
つまり、努力や行動にかけた時間が、
そのまま成果に比例するという考え方です。
この考え方をする人は本当に多いのですが、
現実はそうではありません。
というのも、稼ぐというのは生み出した価値で決まります。
価値=成果なのです。
しかし、会社員などの雇われて稼いでいる人というのは、
大抵が時給、働いた時間=成果が成立しています。
なので、特に今まで雇われて稼いでいた人などは、
時間=成果を正しいと思いこんでしまっている場合が多いのです。
ですが、実際には雇い主の持つビジネスという仕組みが、
価値を生み出しています。
雇われている人たちはその価値を生み出す仕組を動かすことで、
お金を稼ぐことができている。
あえて乱暴な言い方をしますが雇われている労働者というのは、
仕組みを動かす部品の1つにすぎないということです。
労働者は歯車であるとよく言われますが、
これはある意味本質をついています。
歯車であるからこそ長時間動くだけで良いので、
価値=成果ではなく時間=成果が大抵の場合成立するのです。
しかし、フリーランスは違います。
フリーランスとなり独立して働く以上、
歯車になるのではなく仕組みそのものを持つ必要がある。
仕組みを動かすのではなく作り所持する側にならないといけません。
そして、そのために持っていてはいけないのが、
時間をかければそれに比例して成果が出る。
時間をかければそれに比例して生み出す価値が大きくなる。
そんな考え方なのです。
価値の大きさに時間は全く関係ありません。
例えば8時間努力したからそれに比例して、
生み出した価値は大きくならないのです。
1年で生み出した価値が10年で生み出した価値に、
必ずしも劣るわけでもないのです。
なので、時間=成果という考え方は必ず捨てておきましょう。
そうしないと、無駄に時間を使うことになってしまいます。
労働=成果という考え方
労働=成果という考え方も個人でビジネス運営するなら、
持っているとまずい考え方です。
労働することで働いている実感が得られ、
忙しいことに満足してしまうこともあるでしょう。
ですが、いくら忙しく労働しようと、
それに比例して成果が出るかというと、
実際にはそうではないのです。
なぜなら、個人ができる労働量などたかがしれているからです。
考えてみれば当然だと思えることなのですが、
これから参入しようとしている業界。
そこには当然ですがライバルがいます。
もちろんそのライバルの中には企業もあるでしょう。
そしてもし、そのライバル企業には100人の従業員がいて、
毎日労働しているとしたら?
その労働量にたった1人で対抗できるでしょうか?
無理ですよね。
労働量ではいくら頑張ったところで、
10人の従業員にすら勝てないでしょう。
なので、基本的に個人で活動する時は、
労働量は全く武器にならないのです。
労働量=成果は必ずしも成立しないということです。
むしろ、下手に労働量ばかり増やして体を壊すようなことになれば、
保障のついている労働者以下の収入に落ち込むこともありえます。
なので、労働=成果という考え方も捨てた方が良いのです。
ビジネス運営に大事な考え方は量よりも方向性
ここまで、時間=成果と労働=成果という考え方は、
持っていてはまずいというお話をしてきました。
そして、この2つの考え方に共通するものが、
量をこなせば成果がでるということなのです。
とにかく時間を費やせば、とにかく労働量を増やせば、
それに比例して成果が出る。
成果がでないのは時間や労働が足りないからだ。
これは、特に会社員などをやっていた人。
あるいは高い能力を持っていて大抵のことは、
自分でやった方がうまくできるような人。
こういう人が独立しようと考えた時に、
おちいってしまいやすい考え方。
ですが、量を追求して価値を生み出すのなら、
個人でのビジネス運営はダメなのです。
先程もお話したように従業員を雇っている企業などに、
量で対抗するのは到底不可能だからです。
量=成果を実現したいならはじめから企業を作る、
人を雇うこと前提にビジネスを構築する事が重要になる。
そうでなければ会社員の方が最終的には稼げるようになるぐらい、
量=成果というのは個人運営には向かない考え方なのです。
なので、時間=成果と労働=成果という考え方を、
自分がしているなと思ったら捨てておきましょう。
そして、"正しい方向に取り組む"という考え方を持ってください。
重要なのは"どれだけするのか"ではなく"何をするのか"なのです。
個人という限られた時間や労働力を使い、
何をすれば生み出す価値を大きくできるのか?
これを常に考え、追求し続けていくことが、
個人運営で成果を出すために必要な考え方なのです。
このことはぜひ、覚えておいてほしいと思います。
では、今回はここまでです。