
マーケター・思考設計士。個人や中小規模ビジネス向けに、マーケティング戦略のアドバイスを主におこなっている。
批判を受けることをこころよく思う人はいないでしょう。
自分の考えや価値観、あるいは自分そのものを否定されれば、
傷つくこともあるし怒りが湧くこともある。
なので、批判には付き合わないのが一番、
無視するのが一番だとよく言われます。
ですが、もし批判の中に眠る価値を見つけ出すことができたなら、
見つけ出してそれを活かすことができたなら。
批判は自分を大きく成長させるチャンスに変わるのです。
批判には2種類存在する
というのも、批判には2種類あります。
1つは、ただ純粋な悪意とネガティブな感情で、
相手をおとしめようとするもの。
これについては批判の受け手ではなくする方に原因があるので、
聞く価値はありません。
妬みやそねみ、引きずり下ろしてやろうという悪意や、
相手を否定することで自分を正当化したいなど、
相手の内面にある問題から生じるものだからです。
相手自身にしか解決できない問題なので、いくら気をつけたりしようとも、
批判から学べることもなければ止めることもできないでしょう。
そのため、この手の批判は無視するのが一番良い。
ですがもう1つの批判。
経験や蓄積した知識などによって生まれる違い、
ようは価値観の違いによって生まれる批判は、
聞いておく価値があります。
それは、一見すると批判のように見えますが、
あなたの中にはない視点から発せられた意見です。
現在の自分では絶対に見られない角度からの意見であり、
それゆえに自分の中の世界を広げられる可能性があります。
批判には自分の弱点を見つける手助けとなる効果もある
また、批判にはそれ自体に自分の弱点を見つけるための、
手助けとなるの効果もあります。
先ほどお話ししたように純粋な悪意のみの批判もありますが、
それも含めてあまりにも批判の数が多かったとしたら。
批判を受けやすい発言や発信をしているのかもしれない。
あるいは自分の考えなどに不備があるのかもしれない。
内容に問題はなくとも、伝え方などにも問題があるのかもしれません。
言葉の選び方や表現に誤解を招くような箇所があるのかもしれない。
そういった自分で見ただけだとわからない、わかりづらいものが、
他人の目線から語られた否定的な意見から見えることもある。
ようは、自分自身を見つめ直し、
弱点を克服するきっかけを得られるということです。
常に向上心を持ち、自分をより良くしていきたいという意思があるなら、
批判も立派な自己成長の材料となるということですね。
批判から目を背け続けるのも問題がある
ここまで、批判も活用の仕方によっては役に立つとお話ししてきました。
これは逆に言えば、批判から目を背け続けるのにも、
問題があるということです。
自分に対する否定的な意見を無視して、
自分を肯定する意見だけを聞き入れる。
それは精神的には確かに心地よく楽ではあるでしょうが、
決して成長することはありません。
肉体を鍛えるには適度な負荷を与える必要があるのと同じで、
精神や考え方、価値観なども同じように負荷がないと成長しない。
人は困難にぶつかり乗り越えることによってのみ、
成長し、より大きな力を得られるものです。
批判はその適度な負荷、乗り越えるべき困難となるので、
時には向き合うことも必要ということですね。
ただ、何度もお話ししていますが中には何の役にも立たず、
ただネガティブになるだけのものもあるので、
全てを受け入れる必要はありませんよ。
賢人は皆すべからく批判から学びを得ている
賢人は常に自分を攻撃する者たちの側に身を投じる。
自分の弱点を知るということは、敵よりも自分にとって
利益のあることである。エマーソンの言葉より引用
これはアメリカの哲学者であり思想家でもある、
エマーソンという方の言葉です。
人は自分で自分を完全に客観視できないので、
自分を攻撃する、批判する人の元に身を投じる。
そうして、弱点を知ることは誰よりも自分自身の利益であり、
賢人はそこから学びを得て、成長するということですね。
実際、批判してくれる人っていうのは、
貴重な時間を使って一生懸命あら捜しをしてくれて、
それを律義に指摘してくれる。
頼んだわけでも報酬を得られるわけでもないのに、
こちらが弱点を学び、克服する機会を提供してくれているのです。
そう考えると批判に感謝すらしたくなってきませんか?
と、色々お話ししてきましたが、ようは批判だからと落ち込まず否定せず、
むしろ自分の糧にしてやろう!の気持ちを持つのが大事ということです。
どんなマイナスに見えることでも学ぼうと思えば何でも学びになりますし、
批判はその中でも大きな学びを得られることが多い。
なのでもし批判を受ける機会があれば、それを成長の機会だと捉え、
どのように活かすかを考えてみてほしいと思います。
では、今回はここまでです。