あやまった判断の道

どうも、コピーライターの水川です。

 

先入観というものは誰でも持っているもの。

 

例えば現代の企業などでまだまだ残っている、
女性というだけで良い目で見られないという悪習。

 

僕の知っている人で日本の国立三大と呼ばれるほどの大学を卒業し、
大学院まで進んだ女性がいますが、この方が就活で面接を受けた際。

 

女性というだけで良い顔をされなかったそうで、
質問も女性でありながらなぜ、などのニュアンスのものが多く、
辟易したというお話しを聞きました。

 

いわゆる女性差別、女性は働くものではないというような、
過去の価値観を引きずる人が重役などを務める企業では、
まだまだこのような女性だからというだけで認められない。

 

そんな空気が残っているようですが、このような印象。

 

これも、相手に対して自分が持っている価値観や情報などで、
勝手に相手に持ってしまっている先入観なわけです。

 

そして、このような先入観にとらわれて判断を行うと、
結果を大きく狂わせ、時に大きな過ちを引き起こす。

 

そんな決断のもとになることがあります。

 

先入観によって狂った判断の実例

 

実際に、先入観によって狂ってしまった判断の実例について、
興味深いエピソードがあります。

 

アビー・コナントというトロンボーン奏者で、
プロの音楽家の方のエピソードです。

 

 

アビーさんがプロの音楽家として活動し始めた頃、
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の、
欠員募集のためのオーディションを受けました。

 

当時、楽団の音楽監督はセルジュ・チェリビダッケという方で、
セルジュさんはアビーさんの演奏を聞いて大絶賛したそうです。

 

この演奏者が求めていた人だ!と。

 

しかし、いざアビーさんをその目にすると絶賛から一転、
失望の顔を浮かべるようになる。

 

というのも、オーディションのときは審査員と演奏者の間に、
仕切りが設けられていました。

 

つまり、セルジュさんはアビーさんの演奏だけを聞いて、
その演奏の良さを見抜き、絶賛したのです。

 

ですが、いざその姿を目にすると、アビーさんは女性。

 

この当時、トロンボーンというのは男性の楽器と考えられていて、
女性がトロンボーンなど吹けるはずがないというのが一般的でした。

 

セルジュさんもこのような価値観を持ち、
トロンボーンは男性が吹くものである。

 

男性の演奏者が良いと思っていたのです。

 

しかし、アビーさんは残る2回のオーディションも合格し、
トロンボーン奏者として楽団に雇われることとなります。

 

もちろん、セルジュさんはそれを良く思ってません。

 

そして、アビーさんがオーディションに合格して1年、
第2トロンボーンに降格すると告げられます。

 

その後、研修生として1年の練習を積み、
もう一度実力を証明しようとしましたが、
それでも昇格することはできませんでした。

 

その理由を、セルジュさんはこのように言ったそうです。

 

「トロンボーンは男性に吹いてもらいたいんだ」と。

 

ようは、アビーさんは女性だからダメだということ。

 

セルジュさんのトロンボーンは男性が吹くものだという先入観が、
演奏の技術などに目を向けさせなかった。

 

というより、実際の演奏の技術などに対する評価を曇らせ、
アビーさんを認めないという決断をしたのです。

 

この決断を当然、アビーさんが受け入れられるはずもありません。

 

演奏の技術は申し分ないはずなのに女性というだけで、
まともにトロンボーンを演奏させてもらえないのですから。

 

結果、アビーさんは裁判所にこのことを訴え、
演奏技術などの実力を証明することで裁判に勝利。

 

8年後にようやく昇格することができました。

 

ですがその後、男性と同じ給料を払ってもらえない問題が起き、
さらに5年かけて裁判を行い、それに勝利しました。

 

計13年という時間をかけてようやく、女性だからという先入観。
先入観が生み出した狂った判断に勝利したのです。

 

先入観によって行われる判断の危険性

 

現代では楽団の審査に先入観が入らないよう工夫されることは、
当たり前のことになっています。

 

ですが、アビーさんがプロの音楽家として活動していた当時、
特にクラシック音楽の本場であるヨーロッパでは、
白人男性がクラシックの中心でした。

 

女性では演奏のための体力がないなどと信じられ、
実際に女性の演奏者はほとんどいなかった。

 

いたとしても女性的な楽器の奏者としてでした。

 

ですが、アビーさんは男性的と言われたトロンボーンで、
見事に演奏できることを証明した。

 

そのきっかけとなったのが仕切り。

 

純粋に演奏だけを聞いてもらうことで、
演奏者として評価してもらう結果を得たのです。

 

また、このように純粋な演奏だけを聞けば素晴らしいのに、
姿を見ると評価が狂うという事例は他にも多くあった。

 

そして、クラシックの世界はあることを認めざるおえなくなったのです。

 

クラシック音楽で最も重要なのは演奏であるが、
その評価は演奏以外のもので狂わされている。

 

これを専門家は、目で聞いていると言い表したといいます。

 

純粋に聴覚によって演奏だけを評価しているわけではなく、
視覚から入る余分な情報が評価を狂わせているということ。

 

ようは、人は最も大事なことを判断するときでも、
それ以外の余分な情報や印象によって生まれる先入観で、
あやまった判断を下してしまう可能性があるということです

 

そして、このあやまった判断は大きな過ちを犯してしまう。
そんな危険性を秘めています。

 

演奏者として実力があったアビーさんが、
女性というだけで13年も正当な評価をされなかったように。

 

目的に必要ない先入観は排除するよう意識するのが大事

 

最初に企業の面接で良い顔をされなかった、
女性のことをお話ししましたよね。

 

これも、本質はアビーさんのエピソードと同じです。

 

企業にとって重要なのはその人材が、
自社に利益をもたらしてくれるかどうか。

 

与えたいと考えている仕事をきちんとこなせるかどうかであり、
それが女性だろうと男性だろうと関係ありません。

 

もっと言えば年齢とか人種とかその他あらゆるものも、
目的とするものに影響するわけではないなら、
まったくと言っていいほど関係ないのです。

 

ですが、人は自分の価値観や経験、持っている情報、
これらが生み出す先入観によって相手を見ます。

 

僕はこれをフィルターを通して世界を見ていると呼びますが、
この先入観というフィルターがもしマイナスに振れていたら。

 

あるいはプラスに振れている場合でも、
人はあやまった判断を下してしまう可能性があるのです。

 

今回お話ししたアビーさんのこともそうですし、
他にも、例えばビジネスにおけるセールス。

 

セールスに良い印象を持っていないという人は多いですが、
ビジネスを運営するうえでセールスは必須です。

 

ですが、セールスは悪いものであるという先入観があると、
セールスをしようと思った時にうまくすることができません。

 

悪いものという先入観が、積極的に行うことを拒否してしまうのです。

 

ですが、セールスそのものは販売するというただの事象であり、
それを悪いものとするのは行う人の意思次第で決まります。

 

これも、セールスは悪という先入観から、
あやまった印象を持ってしまう一例ですね。

 

と、ここまでいろいろお話ししてきましたが、
人は先入観で判断を狂わせるということ。

 

これを、まずは知っておいてください。

 

そして、もし目的達成のために正しい判断を下したいなら、
それに関係ない情報はなるべく排除するよう意識しましょう。

 

楽団のオーディションで仕切りを設け、
演奏以外の情報を遮断するのと同じように。

 

そうすれば、先入観が引き起こすあやまった判断と、
それに伴うマイナスの結果を回避できますよ。

 

 

では、今回はここまでです

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