
マーケター・思考設計士。個人や中小規模ビジネス向けに、マーケティング戦略のアドバイスを主におこなっている。
この記事では安定したビジネスを構築するために、
絶対に意識しなければならないポイントについて、
詳しくお話していこうと思います。
というのも、僕はしっかりした地力を最初につけておけば、
雇われるよりも自分でビジネスを運営したほうが、
経済的に安定した生活を送れると考えてます。
ですが、雇われることにもビジネスを始めることより、
1つだけ優れているところがあるのです。
それが、毎月のどのぐらいの収入が入ってくるかを、
あらかじめ知っておくことができること。
もちろん、突然のリストラや会社の倒産なども起こりえるでしょうが、
少なくとも雇われている間は月にどれぐらいの収入が入るかを、
事前に知っておくことができます。
ですが、自分でビジネスを始める場合は、
収入の全ては自分次第です。
自分の能力や作業、構築したビジネスに収入が左右されることになります。
そしてこの不安定さがビジネスをやるうえで、
最大の障害だと言っても良いでしょう。
実際、ビジネスをはじめて失敗するという人の多くは、
安定した収入が入るビジネスを構築できないことが原因です。
すでに十分稼いでいるというような人でも、
将来稼ぎ続けられるかどうか不安ということもあります。
ですが、実は一定の収入を得続ける、
あるいは将来の収入を事前に把握する。
そんな安定したビジネスを構築するには、
たった1つのポイントを意識するだけでよいのです。
今回はそのポイントについて詳しくお話していきます。
安定したビジネスを構築するのに事前に知っておきたいこと
本題に入る前に安定したビジネスを築くために、
知っておくべきことについてまず話します。
ビジネスは基本1本道だというお話しです。
ビジネスとは集客、教育、マネタイズの流れで構成された、
基本一本道でありどんなビジネスでも例外はありません。
集客とは文字通りお客さんを集めることであり、
教育とは集めたお客さんに必要な情報を提供することであり、
マネタイズとは収益を発生させるポイントのことです。
つまり集客してお客さんを集めて、
マネタイズに必要な情報等を教育で提供し、
収益発生ポイントでマネタイズすることで収入を得る。
集客をスタートとし、教育を挟み、マネタイズをゴールとするのが、
基本的なビジネスの流れです。
これについて詳しく知りたい場合は、
別記事で書いているのでそちらを参考にしてほしいのですが、
まずビジネスとは1本道であるということを知っておいてください。
ビジネスの流れについての記事↓↓↓
安定したビジネスを構築するためのたった1つのポイント
ビジネスの基本的な流れをお話ししたところで、
本題である安定したビジネスを構築するためのたった1つのポイントについて、
解説していきたいと思います。
そのポイントとは数字を管理することです。
安定したビジネスを構築し将来に対して不安のないビジネスを持つ人は、
例外なく数字を管理するという意識を持っています。
逆にいつまでも不安定なビジネスしか持てず、
ちょっとしたことで収入が上下したりする人は、
ほぼ例外なく数字を管理するという意識がないのです。
なので、数字を管理するという意識を持ってほしいのですが、
具体的にどのような数字を管理すればよいのかについては、
最低3つの数字を把握する必要があります。
- 集客数
- 移行率
- 成約率
この3つです。
この3つの数字はビジネスを左右する重要な数字ですので、
必ず把握しておく必要があります。
それに加えて、
- 総収益
- 1人あたりの収益単価
- ビジネスの運営費
- 利益
この3つも一緒に把握しておきましょう。
集客数
集客数とは現時点でどのぐらいの人を集めることができるのかです。
例えば、ブログで何らかの商品を直接販売するビジネスをしているとして、
そのブログには、月平均1000人の人が集まっているとすると、
そのビジネスの集客数は1000ということです。
移行率
移行率とは集客した人がどれぐらいの割合で、
マネタイズポイントにたどり着いてくれたかを表す数字です。
ちなみにマネタイズポイントとは、
成約することで収入が発生するポイントのことです。
ブログで商品を直接販売しているなら、
マネタイズポイントはその商品のセールス用ページ。
アフィリエイトなどならアフィリエイトリンクのクリック先ですね。
この移行率は(移行人数÷集客数)×100で求められます。
例えば先程の1000人集まるブログで、
そのうち月平均200人がマネタイズポイントに移行してくれる場合、
移行率は(200÷1000)×100。
つまり移行率は20、20%ということになり、
このブログに集まる人は20%の確率で、
成約ポイントに移行してくれるということです。
成約率
成約率とはマネタイズポイントで実際に行動してもらい、
収益が入ってくる確率はどれぐらいかという数字です。
成約率は(成約数÷移行人数)×100で求められます。
今回のブログの例だと月平均200人が、
マネタイズポイントに移行してくれる。
これが移行人数です。
この200人のうち10人が成約してくれて収益が発生したとすると、
成約数は10人です。
なので、(10÷200)×100で、
成約率は5、5%ということになります。
つまり、ブログに来てくれて、マネタイズポイントまで来てくれた人は、
5%の確率で行動してくれて収益をもたらしてくれるということです。
そして、ここまでで解説した集客数、移行率、成約率は、
最初にお話ししたビジネスの流れに沿っていて、
それぞれに関連した能力で上下します。
例えば集客数はそのまま集客力なので、集客のスキル次第で上下し、
移行率はマネタイズポイントにいかにして興味を持ってもらえるかで、
教育のスキル次第で上下するのです。
そしてこの集客や教育のスキルはマーケティングの一部であるので、
もし集客数や移行率を上げたければマーケティングを身につける必要があります。
成約率はだいたいが販売、セールスなので、
セールスを身につければ上げることができるのです。
総収益
総収益とは1つのビジネスが生み出す収益の全てです。
例えば、今回の例のブログで販売している商品が、
1つの成約で1万円の利益をもたらしてくれるとしましょう。
そして集客数が月1000の時、成約数が10なので、
このブログのビジネスがもたらしてくれる総収益は、
月10万円ということになります。
1人あたりの収益単価
ここまで集客数、移行率、成約率、総収益の概要や求め方について、
1つずつ解説してきました。
最後に求めるのが1人あたりの収益単価です。
これは、1という集客数がどれぐらいの収益を発生させるかという数字で、
総収益÷集客数で求められます。
今回の例のブログビジネスは、月に平均1000人の人を集めることができ、
移行率は20%、成約率5%で、総収益が10万円。
つまり1人あたりの収益単価は、
10万÷1000で、100円。
つまり、今回の例のブログビジネスは、ブログに1人訪問してくれれば、
100円の利益を生み出すビジネスということです。
ビジネスの運営費
ここまではビジネスで収益を上げることだけに、
焦点を合わせてきました。
ですが、実際には運営するためにかかる費用があるので、
そこもしっかりと把握しておくことが重要です。
ちなみに運営費には大きく分けて固定費と変動費があります。
固定費とはビジネスがどんな状態でも、
例えば収益がまったく無いような時でも、
必ずしなければならない支出のことです。
例えば飲食店などの実店舗を持ったビジネスは、
店舗維持費が必ずかかるわけです。
店舗を借りてるなら家賃、光熱費も必要で、
人を雇う必要があるなら人件費も固定費です。
ようは、あなたがビジネスを運営していく上で、
結果にかかわらず支出し続けなければならないもの。
それが固定費です。
対して変動費とは運営するビジネスの規模によって、
時々に変動することがある支出のこと。
例えば注文がきてから商品を作って販売するビジネスの場合、
ある月に100の注文が来たとしたらそれだけの原価が必要。
50ならそれだけ、30ならそれだけと注文数に応じて、
原価が変動するのでこれは変動費になります。
ようはあなたがビジネスで出す結果に応じて、
その時々で変わっていくのが変動費です。
ちなみに今回のブログでのビジネスの例の場合。
ブログを運営しているだけなので、
年間の運営費は多くて年1万5000円前後ぐらい、
月1250円の運営費がかかるということ。
ブログ運営を続けるうちは仮に結果がゼロでも、
必ず支出しなければならない固定費ということです。
利益
今回、例として使ったブログビジネスは、
月の収益が平均10万円。
ビジネス運営費が1250円ですから利益は9万8750円になる。
ちなみに、収益と利益の違いについては、
きちんと把握しておいてください。
収益、売上などとも呼ばれることもありますが、
これはビジネス運営にかかった支出を引く前の数字。
利益は支出を差し引いた純粋に手元に残る数字です。
そして、当然ですが運営費が収益を上回ることになれば、
利益はマイナス、赤字になるということですから、
運営費と収益の比率については常に意識する必要があります。
以上、ここまでざっとお話してきましたが、
6つの数字は必ず把握しておくようにしましょう。
なぜ数字の管理が安定したビジネス構築につながるのか
ここまで、安定したビジネス構築には数字の管理を意識することが重要で、
そのために管理するべき6つの数字について解説してきました。
では、なぜこの数字を管理することでビジネスが安定するのか?
それは結果が保証されていて、改善する場所が明確だからです。
結果が保証されている
先程の例のブログビジネスでは、
1という集客数、ブログに1人の訪問者がくれば、
100円の収益が出ることが6つの数字を求めたことでわかりました。
つまり、生み出す収益という結果が保証されているということです。
結果が保証されているのだから、
将来の収益の予想も簡単にたてることができるようになり、
もしいきなり収益が減ったらどうしようと怯える必要もなくなります。
改善する場所が明確
そして、仮に収益が減ったとしても、
逆にそれ以上に増やしたいと考えていたとしても、
6つの数字を管理していれば改善する場所が明確にわかります。
例えば、ある日突然収益が半分になったとしても
5つの数字をきちんと管理していれば、
なぜ収益が減ったのかがすぐにわかります。
ちなみに収益を左右するのは先ほどお話ししたビジネスの流れに沿う、
集客数、移行率、成約率の3つです。
なので、もし成約率が落ちたことが原因ならそれを改善すれば良いですし、
集客数が原因ならそれを改善すれば良いということです。
逆に商品などを変えずに今より収益を増やしたいなら、
集客数、移行率、成約率のどれかを上げれば、
総収益を増やすことができます。
どのように改善するかについては先程お話ししたように、
集客数や移行率を上げたければマーケティングを学び、
成約率を上げたければセールスを学べばよいのです。
そしてもう1つ意識してほしいのが、
改善する場合は弱いところから改善するということです。
というのも、集客数、移行率、成約率3つは、
何度もお話ししたようにビジネスの流れに沿っていて、
それぞれがそれぞれに影響を与えます。
なので、1連の流れに一つでも弱いところがあればその他の部分の足を引っ張るので、
弱いところを改善すると全体が大きく変わるのです。
と言ってもイメージしづらいと思うので、実際の数字を見てみましょう。
集客数が1000、移行率5%、成約率10%で、
成約時の利益が1万円だとしましょう。
ちなみに、この時の総収益は5万円で、
明らかに弱い部分は移行率です。
ではこの時、集客数を200人増やした場合と、
移行率を2%増やした場合と、成約率を2%増やすとどうなるかというと、
以下のようになります。
集客数 | 移行率 | 成約率 | 総収益 | |
集客数を改善した場合 | 1200 | 5% | 10% | 6万円 |
移行率を改善した場合 | 1000 | 7% | 10% | 7万円 |
成約率を改善した場合 | 1000 | 5% | 12% | 6万円 |
まあ、集客数だけ%じゃないのでわかりづらいかもしれませんが、
同じ%である移行率と成約率を同じだけ改善したら、
弱い移行率を改善したほうが総収益が大きく上がりましたよね。
このように弱い部分を改善することで、
全体を大きく底上げできるので、
改善は弱いところからを意識しましょう。
と、ここまで色々お話してきましたが改善する場所が明確にわかっていれば、
減った収益の立て直しや、収益自体の増加などの目標をたてた時、
何をするべきかが明確になります。
何をするべきかが明確になれば何をすべきかがわかり、
すぐに対策をたてられる。
すぐに対策がたてられれば収益を安定させ、
ビジネスを安定させることができるのです。
安定しない理由を把握することが安定したビジネスの条件
今回、安定したビジネスを構築するために数字を管理するという意識と、
5つの数字の管理法や改善方法など色々お話してきましたが、
ようは安定しない理由を明確にしようということ。
安定したビジネスを構築できず、常に不安というのは、
不安定な時に不安定になった明確な理由がわからず、
何をすればもとに戻り改善できるのかがはっきりしないからです。
そうすると、明確な収益の予想もたてられず、
将来稼ぎ続けられるかみたいな恐怖にも追いかけ回される。
なので、きちんとビジネスを数字で管理し、
どのような流れで収益を生み出しているのかを、
きちんと明確にして記録してみてください。
それだけで、安定したビジネスを構築でき、
ビジネスにおける多くの不安から開放されますよ。
では、今回はここまでです。