
マーケター・思考設計士。個人や中小規模ビジネス向けに、マーケティング戦略のアドバイスを主におこなっている。
突然ですが「1」という数字にどのような印象を持っていますか?
おそらく勝利の象徴みたいな印象を持っているのではないでしょうか?
例えば一番というのはトップであり最も優れたものの証である、
みたいな感じがありますよね。
ですが、ビジネスにおいて「1」という数字は破滅への道しるべ。
文字通りビジネスの命を絶つ数字なのです。
今回はこのビジネスでもっとも危険な数字が、
どのような事態をもたらすのかについてお話ししようと思います。
「1」という数字がビジネスにおいて危険な理由
ではなぜ、「1」という数字はビジネスにおいて危険なのか?
ざっくり言うと不安定だから。
ビジネスにおいて「1」しかないというのは、
いつ崩れてもおかしくはないことと同義です。
と言われても何のことやらと思うでしょうが、
これについて僕がよく例に出すのがGoogleのアップデート騒ぎ。
Googleが検索エンジンで上位表示させるアルゴリズム(基準)を、
大幅に変更した時に決まって起きる騒ぎのことです。
この騒ぎはGoogleがアルゴリズムをアップデートするところから始まります。
アップデートされると何が起こるかというと、
検索エンジンの順位が大きく変動するのです。
この変動で大きく順位が上るサイトもありますが、
当然下がるサイトもあります。
で、順位が下がるとこれも当然ですがサイトのアクセス数が減る。
サイトのアクセス数が減ると収益化を目的としたサイトなら、
集客できる人数が減るということですので、
収益そのものが低下していきます。
中には100万以上稼いでいたサイトが一夜にして、
収益ゼロになるということが冗談抜きで起きるのです。
そして、もうSEOはダメだ!ブログはダメだ!これからは〇〇の時代だ!
と、お決まりのパターンで騒がれるのです。
このように頻繁にあるGoogleのアップデートで、
毎回必ず騒ぐような事態にぶつかってしまう人がいる。
これはなぜなのかと言いますとSEO、
検索エンジンでのみでしかアクセスを集めていない。
(実際には別の集客源もあるのでしょうが、
メインの集客源となりうるのが検索エンジンしかない。)
「1」つしか集客源のないビジネスの展開の仕方をしているから、
それが崩れたときにビジネスそのものが傾くのです。
そしてこれがビジネスを破滅に導く「1」という数字の負の力。
「1」つに依存したビジネスは簡単に、しかも一瞬で、
破滅への道を進んでしまうということです。
「1」という数字に頼らないビジネス運営を心がけよう
なので、ビジネスにおいては1という数字に頼らないよう、
戦略的に展開、運営していくことが大切になります。
例えば先ほどの集客源にしてもSEOのみに頼るのではなく、
有料広告やSNSなどの集客も考えてみる。
それで実際に使えそうなら試験的にでも導入してみて、
大きく成果が出るようなら安定して集客できる仕組みを構築する。
そうして複数の集客源を構築しておけば、
仮に1つがダメになっても他の集客源が支えてくれるので、
その間にダメになった集客源を再構築する猶予ができます。
この時、重要なのは猶予を作れるということです。
「1」という数字に支えられたビジネスというのは、
足が一本しかないイスのようなもの。
その「1」つしかない足が何らかの理由で折れたりしたら、
イスにすわっている人は落下するしかありません。
でもこれが2本あれば、少ないかもしれませんが、
体制を整える猶予ができます。
3本あれば余裕を持って体制を整えられる。
4本あればそのまま座っていることもできるでしょう。
5本あればすわることに支障はでない。
このように、ビジネスを支える足は多ければ多いほど、
安定して運営していくことができるのです。
ただ、1つだけ気をつけてほしいのですが、
自分では足を増やしたつもりでも、
実は増えてなかったということが多々あります。
例えば、先ほどブロガーの方の実例を紹介しましたが、
この方は全部で3つのサイトを運営していました。
おそらく収益源の分散を意識していたのでしょうが、この3つのサイト、
その全てがSEOによる検索エンジンからの集客がメイン。
分散していたのはサイトで扱うジャンルだけで、
集客方法はどれも同じということ。
つまり、自分では分散したつもりでもその実、
まったく分散できてなかったということです。
もし、本気で収益源の分散をするのであれば、
1つのサイトはSEOによる検索エンジンからの集客。
別のサイトは有料広告をメインの集客源にする。
また別のサイトはSNSからの集客をメインにするというように、
完全に収益の要となる集客源を分けなくてはいけませんでした。
ですが、実際には全てがSEOによる集客だったため、
Googleのアップデートというたった「1」つの要因で、
全ての収益源、ビジネスが崩れてしまったのです。
このように一見すると分散しているようでも、
その実まったく分散できてないということも多々ある。
なので、今何らかのビジネスを運営しているのであれば、
一度その展開の仕方を見直してみてください。
もしかしたら、「1」に頼った脆い箇所があるかもしれません。
あるいは、これから何らかのビジネスをはじめたいという場合なら、
しっかりと運営計画をたててみると良いですよ。
ビジネスに限らず「1」つに頼ったものは脆いもの
今回、ビジネスで「1」という数字は危険であることについて、
いろいろお話ししてきました。
今回はあくまでもビジネスというテーマでしたが、
ビジネスに限らず「1」つに頼ったものは脆いです。
たった「1」つの信念が文字通り世界を変えるようなこともありますが、
基本的には不安定で頼りないもの。
わかりやすい例で言えば、「1」つしか収入源がなければ、
それが何らかの理由でなくなれば収入が途絶えます。
収入が途絶えれば、まともな生活を送れなくなるでしょう。
あるいは「1」つの実績や栄光などにこだわる。
「1」つしか自身を支えてくれる精神的支柱がなければ、
それが折れた時に立ち上がれなくなりますし、
そういった事例は多くあります。
他にもいろいろあるでしょうが、このように「1」つに頼ると不安定になり、
不安定なものは本当に一瞬で崩れます。
ですから、支えるもの、支えてくれるものを多く持つことです。
それは、猶予という余裕を与えてくれて、
ふたたび立ち上がるだけの力をためるチャンスをくれるでしょう。
この記事がこのことを考え、ビジネスなどを見直すきっかけになればと思います。
では、今回はここまでです。