
マーケター・思考設計士。個人や中小規模ビジネス向けに、マーケティング戦略のアドバイスを主におこなっている。
こうしてこの記事を開いてくれているあなたは、
勉強熱心な方だと思います。
このような小難しそうな記事を積極的に読む人はまれですから、
あなたは何かを得るために、達成するために。
きちんと勉強したり情報収集したりできる、
インプットをおこなえる方なのでしょう。
ですが、だからこそ知っておいてほしいことが1つあります。
それは知っていることと理解することの違いです。
この2つの違いをきちんと理解しておかないと、
せっかくインプットしたことが全て無駄になる。
そんな可能性もあるのです。
知っていることと理解することの違い
知っていることとはインプットそれ自体を指します。
例えば、あなたがビジネスについての本を1冊読んだのであれば、
あなたはその本の内容を頭に入れている、知っていることになる。
ですが、それは理解したことにはなりません。
というのも本などに書かれてること、
知識や情報それ自体は他人のものです。
他人が考えたこと、実践し経験したこと、
身を持って実証してきたこと。
ようは実感を伴っていることが、
理解したということです。
そんな実感あるものを伝えるため言葉として表したものが、
インプットの際に入ってくる知識や情報になります。
そして、こういった言葉で表された他人の知識や情報は、
絶対に完全に理解することができません。
どれだけインプットしても理解することはできない
なぜなら、言葉として表に出てきたものは、
その人のそれまでの人生の集大成だからです。
それまで生きてきて学び経験したこと、
それによって形成されてきた価値観。
そういったものが反映されたのが言葉であり、
それはあなたの価値観などとは別のものであるがゆえに、
その全てをほんとうの意味で理解することはできない。
その言葉に共感はできる、受け入れることもできる、
理解する努力をし、示すことまではできても、
完全に理解することは不可能なのです。
仮にもし理解できたと考えてるなら、
それは気のせいであり勘違いでしかありません。
そして、この勘違いが勉強したにも関わらず、
あまり成果に直結しない大きな理由でもあります。
どれだけ膨大な量をインプットしようが、
それだけではただ知っているだけであり、
完全には理解できてない。
理解できてないものを使いこなすことはできないのです。
知っているだけから理解した状態になるまでの2つの方法
ここまでいろいろお話してきましたが、
ようはインプットしただけではただ知っているだけ。
理解はできてないし、それを効果的に活かすことはできない。
だからはじめにもお話したように、
インプットが無駄になる可能性も高いのですね。
では、どうすれば知っているだけの状態から、
きちんと理解し知識や情報を活かせるようになるのか?
そのための方法は2つあります。
- 自分の思考を通す
- 実践し自分の経験にする
自分の思考を通す
1つめは自分の思考を通すという方法。
他人の価値観などから生まれた知識や情報を、
自分の価値観などから生まれた思考に置き換えるということです。
例えば本の内容を自分なりの言葉に置き換えてみる。
自分でこの内容を人に教えるならどうするかなどを、
考えて実際にやってみるのが効果的です。
他にも自分の経験などから知識に合ったものごとを探すなど、
経験に知識を紐付けることでも理解の一助となります。
このような過程をふむことで知識がただの情報ではなく、
実感を伴ったものとなるのでぜひやってみてください。
実践し自分の経験にする
2つめは実践し自分の経験にすることであり、
これが一番手っ取り早く実感を得る方法でもあります。
先にお話しましたが知識や情報自体は、
仕入れた時点では他人のもの。
他人の価値観や経験から生み出されたものであり、
それを違う価値観や経験を持つ自分が実践する。
そうすると、土台となるものが違うわけですから、
実践した時に必ず知識などと結果にズレが生じます。
これを僕は知識と現実の誤差と呼んでいるのですが、
この誤差を知るには実践する以外に方法はありません。
ですが、誤差を知ることさえできればそれを修正し、
自分の求める結果につなげることができるようになる。
なので、できることなら知識や情報は仕入れてすぐ、
少しでもいいので実践してみること。
それだけで、ただ知っているだけのものごとが、
実感ある生の体験としてあなたに宿る。
きちんと理解して活かすことができるようになりますよ。
実感のない知識や情報がもたらすもの
ここまで、知識や情報は知っているだけでは意味がない、
理解することに意味があるということについて。
いろいろとお話してきましたが今回の内容は、
本当に大事なことなので実践してみてください。
というのも、知っているだけで理解できてないという状態は、
様々な弊害を引き起こす可能性があるからです。
弊害の一例だと、いじめ問題でよく聞く言葉。
子供から大人までいじめは多々おきますが、
大抵のいじめ加害者が発するある言葉があります。
「いじめていたつもりはなかった…。」
これを聞いてその場をしのぐための嘘だと、
多くの人は考えるでしょう。
そんなわけがない、いじめだと自覚してやったんだと。
もちろん、そういう人もいるでしょうが本当にいじめとしての自覚、
自分が相手を傷つけているという自覚がない。
そんな場合も多々あると僕は考えてます。
その原因が知っているだけで理解できていない。
いじめの例で言うなら相手を傷つけるような言葉や、
行為自体は知っている。
だけど、それが実際に相手に行われた時に、
どれだけ相手を傷つけるかという実感がないのです。
実際に体や心にかかる痛みを実感として持ってないから、
何でもないことのように相手に行える。
それが、相手の心身に一生の傷を残したりなどの取り返しのつかない、
大きな過ちを引き起こしてしまうことにもなるのです。
そしてもちろん、ビジネスなどでもまた同じこと。
知っているだけで理解できたつもりでは、
再起できない失敗をしてしまうようなこともあります。
なので、勉強して知っているだけで立ち止まらず、
その先にある実感を伴った理解を目指してください。
そうすれば、勉強したことが血となり肉となり、
あなたの目標達成を助けることになります。
また、思いもよらないような失敗を回避する手助けにもなりますよ。
では、今回はここまでです。