起業で仲間がほしいと考えた時に気をつけるべきこと
【記事執筆者】水川健人
マーケター・思考設計士。個人や中小規模ビジネス向けに、マーケティング戦略のアドバイスを主におこなっている。
【価値あるものが正しく認められるビジネス業界】を目指して日々活動中。

 

起業すると考えると悩みや不安が湧き上がってきたり、
1人ではできない大きなことを成し遂げたいという思いがある。

 

そんな思いを解消したり実現する方法として、
仲間を探して一緒に起業しようと考えることもあるでしょう。

 

一緒に起業しないまでも同じような目標に向かい、
日々頑張る人達で集まってモチベーションを保ったり、
進歩を報告し合ったり励まし合ったりなど。

 

とにかく起業、自分でビジネスを始めるという時、
1人ではなく誰かと共にしたいと考えてしまう。

 

この記事を開いてくれたということは少なからず、
そのような気持ちがあるのではないかと思います。

 

ですが、起業において仲間がほしいと考えた時に、
絶対に気をつけるべきことがあるのです。

 

起業に対する目標の高さが合わないと失敗する可能性が高い

 

それは、起業に対する目標の高さ。

 

起業に対してどれぐらいの熱意を持ち、
どこまで行きたいと考えているかです。

 

特に仲間と一緒に1つの事業を共同経営するような形で起業する場合、
目標の高さが自分と仲間で合わないままビジネスを進めると、
ほぼ間違いなく失敗します。

 

とはいえ、これは必然のこと。

 

例えば自分は最終的に1億円規模の事業を作りたいと考えているけど、
仲間は月収100万ぐらい稼げればそれで満足と考えていたとしましょう。

 

当然ですが1億円規模の事業を作るのと月収100万稼ぐのだと、
最終的に見据える場所が大きく違うので全体的な戦略と、
日々やるべき戦術的な作業は大きく違ってくる。

 

もちろん、事業が軌道に乗るまでの忙しさなども段違いであり、
何より事業に対する熱意が違います。

 

どれだけ障害が多かろうと忙しかろうと、
目標に対する熱意があれば行動を支えてくれますが、
その熱量が違うのですから途中から行動にずれがでてくる。

 

行動にずれがでてくれば結果にもずれがでてきて、
最終的には熱意の低い方が高い方の足を引っ張る形で、
失敗という結果を呼び寄せることになるのです。

 

また、似たような起業目標を目指す仲間というのも、
やはり目標に対する高さは人それぞれ。

 

独立したいと考える人もいれば、
副業程度で良いと考える人もいます。

 

ようは先ほどと同じで熱量が違うわけですが、
熱量が自分より低い人と接していると、
自分の熱量もつられて下がっていく。

 

これを引き戻し現象と呼んだりします。

 

と、いろいろお話ししてきましたが、
ようは自分より熱意が低い仲間というのは、
基本的に自分の足を引っ張ることになるのです

 

しかも、熱意というのはスキルや経験のように、
きちんと行動していれば時間と共に身についてくれる。

 

そんな簡単なものではありません。

 

努力すればどうにかなるものでもない、価値観の問題であり、
ある意味、最も才能と呼ぶにふさわしいのが熱意です。

 

仲間に関する面白いエピソード

 

 

では、ここで1つ仲間についての面白いエピソードを紹介しましょう。

 

1880~90年代にかけて「鉄鋼王」と呼ばれていた、
アメリカの実業家、アンドリュー・カーネギー。

 

史上2番目の富豪と呼ばれるほどの富を築き、
晩年はその富を惜しげもなく慈善活動につぎ込み、
多くの図書館や大学などを設立。

 

次世代の人たちのより充実した教育のために、
多くのことを成し遂げていきました。

 

そんなカーネギーが何よりも残したかったものは、
富を築くための成功ノウハウ。

 

「万人に共通するための成功哲学」です。

 

自分やその他の成功者たちが巨万の富を築いた方法を、
万人に共通する哲学として研究し、体系化すること。

 

それには20年の月日がかかると考えたカーネギーは、
自分の代わりにこの哲学を研究する人、仲間を探し始めます。

 

その際、カーネギーはこの成功哲学の研究や体系化に対して、
金銭的な報酬や援助などは一切与えない。

 

与えるものはカーネギーが富を築くために積み上げてきた成功ノウハウと、
他の成功者や成功するだろうと確信した人への紹介状のみ。

 

つまり、20年かかる成功哲学の研究や体系化を、
報酬や援助は一切なしという条件で引き受ける。

 

しかも、承諾するかどうかの返答に1分以上かけないという、
一見すると無茶苦茶な条件を満たす仲間を探したのです。

 

そして案の定、そんな人が簡単に見つかるはずもなく、
260名以上が認められずに脱落していきました。

 

ですがある時、この条件に合致する人が現れます。

 

3日3晩カーネギーの話しを聞いた後、
以上の条件を29秒という速さで承諾したその人は、
カーネギーや他の成功者の成功哲学を研究。

 

その後、カーネギーが考えていた20年という時間で、
万人に共通する成功哲学を作り上げ世に出しました。

 

この人こそが世界で最も受け入れられ評価されている。
そう言っても過言ではない成功哲学の生みの親。

 

現代までも読まれ続けている「思考は現実化する」の著者でもある、
ナポレオン・ヒル博士です。

 

仲間とは同じ高さの場所を見据えられる人のこと

 

このエピソードで注目すべき点は、アンドリュー・カーネギーが、
仲間を探す際に基準にした2つの条件。

 

金銭的な報酬や援助はないことを承諾することと、決断までの速さですが、
そこに能力や実績などの条件が一切なかったことです。

 

実際、カーネギーがはじめにナポレオン・ヒル博士に会った時、
ヒル博士はまだ25歳であり、やっていた仕事は雑誌の記事の執筆。

 

成功していたわけでもなく、実績や目を引くスキルがあったわけでもない。
特別な環境で育ったわけでもない。

 

そんなヒル博士にカーネギーは初対面のその日から3日3晩、
自身の成功哲学やそれを広めたいという思いを語り、
最後に厳しい条件を告げたのです。

 

そして、それに29秒という速さで答えるという熱意を見せたヒル博士を、
万人に共通する成功哲学を世に広めるという目標を達成するための、
パートナー、仲間として選んだ。

 

ようは、カーネギーが求めたのは能力などではなく、
自分の熱意を正しく引き継いでくれるのか。

 

ただそれだけ、それだけを元に仲間にすると判断を下し、
その判断の正しさを証明するように。

 

20年という長い時間をかけてヒル博士は、
成功哲学を完成させ世に広めたのです。

 

 

と、ここまでいろいろお話ししてきましたが、
この劇的な出会いに学ぶべき仲間の定義は、
同じ高さの場所を見据えられる人であるということです

 

才能でもない、スキルや経験でもない、実績でもない。

 

ただ同じ高さを見据え、諦めずに共に歩んでける存在こそが、
成功するために、目標を達成するために必要な本当の仲間なのです。

 

逆に見据えている場所が違う人、低い人は、
少なくとも共に歩む仲間にはなりえない。

 

むしろ、足を引っ張る存在になってしまうか、あるいは自分が、
足を引っ張ってしまう存在になるでしょう。

 

なので、もし起業で仲間がほしいと考えた時は、
必ず同じ場所を見据えているか、見据えられるかを、
じっくりと考えてみてほしいなと思います。

 

 

では、今回はここまでです。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事