
マーケター・思考設計士。個人や中小規模ビジネス向けに、マーケティング戦略のアドバイスを主におこなっている。
無意識、心理学では潜在意識と呼ばれるものですが、
これが行動や考え方に影響を及ぼすということは、
様々なところで言われています。
何かで成功するには無意識が何よりも重要だと言われることも。
ですが、おそらく無意識がそこまで影響力があるなんて、
信じがたいのではないでしょうか?
そもそも無意識とは自分の意識が届かない部分、
意識が無くとも勝手に情報を処理して、
考えたり判断を下したりする部分です。
意識できない、自分では絶対にわからないし見えないのですから、
その存在自体に疑問を持つような人もおそらくいるでしょう。
ですがこの無意識、実はかなりの影響を、
その持ち主に与えています。
下手をすれば人生を一変させるようなこともあるのです。
プライミング実験からわかる無意識の影響
この無意識の影響を調べる実験は度々、様々な人の手によって、
数多く行われてきました。
その中でも心理学者のジョン・バージという方が考えた、
プライミング実験と呼ばれる実験とその結果は、
無意識の影響をわかりやすく伝えてくれます。
どのような実験なのかというと、まず複数の人に実験であるとは知らせず、
デタラメに並べた単語を並び替え、意味のある文章を作るという問題を解かせます。
おそらく、学生の頃に似たような問題を見たこと、あるのではないでしょうか。
ですがこの問題はただの問題ではなく、
中に複数の指向性のある単語を含ませています。
例えば「がまん強く」「従う」「丁寧な」「礼儀正しい」などと、
その反対の「妨げる」「邪魔する」「侵害する」などです。
そして、その問題を解いた後にがまんが必要な場面に遭遇させると、
前者の単語が含まれた問題を解いた人は後者の単語が含まれた人よりも、
長く我慢できる、辛抱強く耐えることができるという結果が出たのです。
これは、単語の並び替え問題に意識を向けさせておいて、
無意識が処理させる情報に指向性のある単語を刷り込み、
それが行動や考え方にどれだけ影響を与えるかという実験。
その結果は以上のようにある程度の影響を及ぼすというものでした。
このプライミング実験は似たような実験も多く実施されており、
どの実験も無意識が影響を与えることを示しているのです。
ただ、もちろんある程度であり、その人の意識を大きく逸脱して、
行動や考え方に影響を及ぼすものではありません。
ですが、もし長い間ずっと、ある指向性のある情報にさらされる、
さらされるような環境に身を置いていたらどうなるか。
それは無意識に蓄積され、行動や考え方に影響を与えます。
意識しなくとも無意識は情報を受け取り続けている
ようは、例え意識して情報を受け取る気がなくとも、
無意識は勝手に回りの情報を蓄積し続けているということ。
なので、仮にネガティブな情報が飛び交う環境に身を置いているなら、
例え意識ではそのような情報を受け取る気はないと考えていても、
無意識は勝手にそれらの情報を受け取り処理していいます。
そしてそれは、自分が意識できないごく小さな形で、
行動や考え方に影響を与えている。
そして、それが長い期間であれば、自分が意識しないうちに、
行動や考え方がネガティブなものとなっていることもありえるのです。
子供の頃の育った環境は性格に大きな影響を与えると言いますが、
これもようは無意識に情報が蓄積された結果なわけですね。
意識した情報の取捨選択で無意識に好影響を及ぼそう
ここまで無意識は以外に大きな影響を及ぼすとお話ししてきました。
短期間ではそこまで影響もないけど長期間であれば、
大きな影響を及ぼすのが無意識です。
なので、意識して情報を取捨選択することが重要になります。
例えば起業で成功したいと思っている時。
もし、起業に対してネガティブなことばかり言う人が周りにいる、
周りにいる環境に身をおいていれば。
どれだけ自分が意識して良い行動をおこそうとしても、
無意識にはネガティブな情報が蓄積されていく。
そして、いつの間にか自分もネガティブなことばかり考え、
行動もネガティブなものになり失敗、途中で挫折してしまう。
こういったことも起こり得るわけです。
なので、もしポジティブな結果を得たいのであれば、
それに対してポジティブな情報を意識して受け取り、
ネガティブな情報はなるべく弾く必要がある。
情報の取捨選択を意識して行わないといけないのです。
無意識は変えられないが意識は変えられる
最初にもお話ししたとおり無意識とは、
自分の意識がない部分です。
なので、無意識を自分の意思で変えることは決してできない。
ですが、意識は自分の意思で変えることができます。
無意識にポジティブな情報を蓄積させるという意識を持ち、
実際に行動に移すことができるのなら。
無意識もポジティブに情報を処理するようになり、
それは行動や考え方に良い影響を与えるでしょう。
なので、これまで受け取る情報を意識したことがない、
身を置く環境を意識したことがないというのなら。
ぜひ、一度自分の受け取っている情報を見直したり、
どのような環境に身をおいているかを分析してみてください。
そしてそれが、自分の望む結果に悪影響を及ぼしそうなら、
意識して行動し、周りを変えてみましょう。
それは短期的には実感がわかない変化かもしれませんが、
長期的には間違いなく、あなたを良い方向に変えてくれるでしょう。
では、今回はここまでです。